富士通は第5世代通信(5G)基地局の無線子局(RU)において、一つのミリ波チップで最大4ビームを多重できる技術を開発した。偏波多重を除くマルチビーム多重に対応した5G向けミリ波チップの開発は世界で初めてだとしている。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ポスト5G情報通信システムの開発」の委託事業として取り組んだ。

従来はミリ波チップ一つで1ビームを生成していたため、RUが大型化し、消費電力が増加する課題があった。今回開発した技術を実際の基地局に適用した場合、従来型のRUを用いて4ビーム多重での電波発射を実施した場合と比べ、2分の1以下の装置サイズで毎秒10ギガビット(ギガは10億)以上の高速・大容量通信を実現できる。RUチップ数を削減したことで、RU一つ当たりの消費電力を従来比で30%削減できることを確認した。

富士通は8月から同技術を搭載した基地局装置の開発に取り組み、2024年度中にグローバルで商用展開する。さらに基地局の親局(CU/DU)製品にもビーム多重技術を適応し、25年度からグローバル展開する。また、通信事業者などのユーザーの脱炭素化や、ネットワークの高度化に向けて継続して技術開発を行う。