ゼネコン大手4社は2024年3月期連結業績予想で、いずれも前期比で増収を見込んでいる。営業損益では鹿島と清水建設、大成建設の3社が営業増益を予想。国内の建築需要が堅調に推移し、資材や労務単価といったコストについては高止まりとの見方が多い。一方で、2024年4月からの時間外労働の上限規制適用を控え、人手不足が今後の懸念材料となり得る。施工能力と採算性の両面に目配りした受注活動が重要となりそうだ。

鹿島は売上高と各段階の利益をすべて上方修正した。単体の建設事業における着実な工事進捗と、国内関係会社における不動産販売事業の収益性向上を見込む。今後については「国内では残業規制がかかる中、担い手を確保する。工事を効率的に施工し利益を上げるのが課題。そのために生産性を高める」(高林宏隆執行役員経営企画部長)とする。

一方、大林組は当期利益について590億円と見込んでいる。前期比24%減となるが、政策保有株で売却した銘柄が増えたことから、5月時点の予想から40億円の上方修正となった。今後の受注活動については施工能力を考慮しつつ、「半導体やデータセンター、医療関係などの市場を捕捉していく」(佐藤俊美副社長)としている。

清水建設は売上高と各段階の利益について、いずれも従来予想を据え置いた。第2四半期決算の実績が通期の業績予想に対し低い進捗(しんちょく)率となったものの、「下期は建築工事の利益が上がってくる。土木についても第2四半期までの実績は順調に推移している。海外子会社の受注も好調だ」(山口充穂執行役員)と手応えを示す。

大成建設は売上高を700億円引き下げ1兆6900億円に下方修正した半面、投資有価証券の売却益の計上により当期利益は20億円増の470億円に上方修正した。今後については、「現在の仕事量を消化しつつキャリア採用の拡大、年齢構成や業務水準の見直しなどで生産効率化を進める」(岡田雅彦専務執行役員管理本部長)考えだ。

23年4―9月期連結決算は、4社すべてが増収だった。営業損益については鹿島のみ前年同期比で増益、大林組と清水建設、大成建設は減益となった。