ヤマトホールディングス(HD)は20日、日本航空(JAL)グループと連携してヤマトHD初の貨物専用機(フレイター)を2024年4月11日に運航開始すると発表した。小型旅客機の座席を取り外してレールを敷き、貨物用ドアを設置するなどの改造を行った。成田―新千歳や成田―北九州などの合計9便を運航し、長距離輸送手段として活用する。

20日、初号機を成田空港(千葉県成田市)で報道陣に公開した。ヤマトHDのシンボルマークである黒猫が描かれた機体を前に、長尾裕ヤマトHD社長は「当社だけでは形にならなかった。感無量だ」と語った。主に宅急便の貨物輸送に活用する。現在の陸上輸送ネットワークに高速長距離輸送が得意な航空機を加え、輸送網の強靱(きょうじん)化や安定輸送につなげる。

貨物用大型ドアから貨物を積み込む

使用機材はリース導入した仏エアバスA321―200P2F型機で、貨物の搭載量は10トントラック5―6台分に当たる最大28トン。同じ小型機のB737―800型機の貨物機に比べ約20%多く貨物を搭載できる。今後、2、3号機を導入して順次運航路線と便数を拡充する。最終的に21便体制とする。

国内の運送業界では、24年4月からドライバーの時間外労働の上限規制に伴い、輸送力の減少が懸念されている。JALの斎藤祐二取締役専務執行役員は「ヤマトグループと社会課題の解決に取り組むとともに、貨物事業の成長にも挑戦する」と意気込みを語った。

運航はJALグループの格安航空会社(LCC)のスプリング・ジャパン(千葉県成田市)が行う。同社の米沢章社長は「LCCが貨物機を運航するのは初めて。しっかり担当したい」と気を引き締める。初号機は24年4月の運航開始に向け、近く訓練運航を始める予定だ。