日産自動車は21日、米国のテネシー州やミシシッピ州などにあるすべての工場で労働者の賃金を2024年1月から10%引き上げることを明らかにした。米国では全米自動車労働組合(UAW)がゼネラル・モーターズ(GM)など大手自動車メーカー3社の「ビッグ3」と賃上げで合意している。日産はテネシー州のスマーナ工場とデカード工場、ミシシッピ州のキャントン工場で過去3年間に12―18・5%の賃上げを実施している。物価上昇やビッグ3の賃上げを受けて人材確保のため、再度の賃上げを実施する。

米国ではUAWとビッグ3が賃上げで合意した後に、日系メーカーでも賃上げの決定が相次いでいる。トヨタ自動車は米国の工場の労働者に賃上げを通達した。トヨタに次いでホンダもオハイオ州などに置く米国のすべての工場で24年1月から11%の賃上げ方針を決めている。日産の決定により日系大手メーカー3社も賃上げを実施することになった。

トヨタ、ホンダ、日産の工場はUAWには加入しておらず、各社が労働者との間で交渉した結果、賃上げの方針を決めた形だ。米国の物価上昇と競合であるビッグ3の賃上げを受けて、優秀な人材を確保するための決定といえる。

UAWはトヨタや米テスラの工場労働者による労働組合の結成を目指しており、24年に大統領選挙を控えるバイデン大統領がUAWの方針を支持する考えを表明している。米国の労務費上昇は自動車メーカーや部品メーカーの利益を圧迫する要因となっており、賃上げ機運がどの程度の広がりを見せるか、各社が注視している。


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