防衛省が次期戦闘機と連携・協調して活動する無人機の研究を進めている。無人機に人工知能(AI)やセンサーを搭載し、パイロットが操縦する機体を側面支援する。味方の機数不足を補うことなど、運用方法に関する案が複数出されている。無人機に何を求めるかで、内容は大きく変わってくる。コンセプトの早期決定が求められる。(編集委員・嶋田歩)

「航空優勢を確保するには(ステルス機など)第5世代戦闘機の増勢とともに、戦闘支援の無人機が不可欠」と、防衛省の開発担当者はこう強調する。航空自衛隊の戦闘機は隣国の中国軍と比較した場合、機数やパイロット数は下回る。

次期戦闘機は2030年代半ばに配備が予定されている。現在、無人機の運用方法で考えられているのは三つある。一つ目は偵察・通信などパイロットのパートナーとしての副操縦士の役。二つ目はパイロットの指揮に従って自律的に行動する役。三つ目は日常のパイロット訓練の相手役だ。

副操縦士の役割の場合、有人機の前方に進出した無人機が偵察情報を基にして、パイロットに今後の戦い方を助言する。機数が劣る場合は戦闘圏から離脱し、損害を避ける。敵方の機数が多い場合はたくさんある目標の中でどの機体を狙うか、目標を示す。現在、AIにこれらの判断データを学習させている。

AIに機械学習させる判断データは、一律ではない。機数が劣る場合でも相手が戦闘機か、爆撃機や偵察機かによって判断は変わる。レーダー上に映る敵機は最初は光点で、機種を識別するまでに時間がかかる。戦闘機の場合も相手がステルス機か、第4世代機かなどによって戦い方は変化する。

シミュレーター上で味方が4機で相手が2機などさまざまなケースを想定し、AIに攻撃行動や回避行動をとらせる。被撃墜など失敗した場合はそれを学習させる。ただ実戦では相手も判断で行動するだけに、想定外の事態が起こり得る。「空戦AIはセンサーで検知した相手しか見えないため、センサーで検知できなかった伏兵から予期せぬ攻撃を受けるともろい」(同省担当者)。センサーを高性能にすればするほど無人機の価格も高くなり、必要機数をそろえられない可能性も生じる。

無人機にミサイルを搭載して攻撃させる場合も同様だ。ミサイルを搭載すれば機体も大型化し、相手に見つかる可能性も増える。敵からの妨害電波で、無人機のデータがパイロットに届かない、パイロットが無人機に行動を指示できないなどの事態も想定される。電波対策を万全にすれば機体も高額化する。性能と価格のバランスをどこに求めるか。コンセプト作りが急がれる。