国内大手生命保険9社の2024年3月期の保険料等収入(売上高相当)の見通しは、9社中4社が期初予想に比べ上方修正した。4社が据え置き、1社が下方修正。円安進行で海外子会社の収入が膨らむほか、一部の企業は国内外の金利上昇で一時払い商品が売れている。一方、本業のもうけを示す基礎利益は6社が5月予想を据え置き、為替ヘッジコストの上昇で予想を保守的に見る会社が多い。

「一時払い商品の販売増が年度末まで続き増収を見込む」。22日に都内で会見した日本生命保険の佐藤和夫取締役は、24年3月期の保険料等収入の見通しをこう述べた。同社は5月時点で、同収入(豪子会社MLCを除く)を前期比5・9%減の5兆8000億円と予想していた。だが、金利状況に応じて利率を変えやすい一時払い商品が販売を伸ばし、一転して増収を見通す。

第一生命ホールディングスも、第一フロンティア生命保険で一時払い商品が好調な他、22年に実施した「海外買収案件の連結化」(第一生命HDの和田京子執行役員)もあり、期初に「減少」とした保険料等収入の通期予想を「増加」に修正した。住友生命保険は、米子会社シメトラの保有契約が増えた上、さらに「円安効果」(高尾延治執行役常務)もあり、通期予想を同0・9%減の2兆5600億円から同2・2%増の2兆6400億円に上方修正。

明治安田生命保険は23年3月期に「外貨建て保険が売れ過ぎた」(中村篤志専務執行役)反動減が響き、通期予想を5月の同9%減の3兆3500億円程度から同16%減の3兆1000億円程度に下方修正した。

一方、基礎利益は3社が5月より上方修正した。円安で外国債券の利配収入などが想定より上振れる。23年3月期に発生した新型コロナウイルス関連の保険金支払いが激減した点は利益にプラスだが、ヘッジコスト負担が高止まりし、予想を慎重に捉える会社が多い。


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