日本プロジェクト産業協議会(JAPIC、進藤孝生会長=日本製鉄会長)は、電気自動車(EV)のリチウムイオン電池(LiB)向け海洋鉱物資源「コバルトリッチクラスト」について、早期調査・採鉱と、そのための装置開発に関する提言をまとめた。供給リスクに対応すべく、国内調達に向け2025年度までの採鉱試験機の製作、27年度までの実海域での掘削試験が必須と強調。進藤会長らが経済産業省・資源エネルギー庁の村瀬佳史長官に手交した。

コバルトはLiBの正極材に必要な重要鉱物で、中国などに供給を依存する。日本政府は経済安全保障政策上、日本の排他的経済水域(EEZ)内に賦存するコバルトリッチクラストの確保を重要視している。提言書には早期開発に欠かせない「資源量調査の迅速化」や「採鉱試験機の開発促進」などを盛り込んだ。

調査では自律型無人探査機や遠隔操作式水中ロボットを使い、クラストの露出面積や厚さなどの把握を促す。採鉱では25年度までの専用試験機の製作をはじめ、揚鉱・輸送を含む全体システムの構築には国の主導が重要とした。

国の海洋エネルギー・鉱物資源開発計画は27年度が最終年度だ。鉄鋼会社やゼネコン、エンジニアリング会社などで構成するJAPICは国際的な政治・経済リスクが高まる恐れがあるとし、進藤会長は村瀬長官に「早期の開発がぜひ必要で、民間では国と一体で推進したい。国には取り組みの前倒し、加速をお願いしたい」と訴えた。