クボタは28日、グローバル技術研究所(堺市堺区)で水素燃料電池(FC)トラクターの試作機(写真)を初公開した。最大出力は44・1キロワットでフル充電の場合約4時間作業できる。騒音レベルはエンジンの約3分の1。運搬や耕うんなど高負荷の作業を伴う中・大型機での展開を想定する。現在開発中の無人農機への搭載も見据える。試作機は2024年春以降に国内のほ場で実証運転を予定する。販売時期は未定。

試作機は中型クラスの60馬力トラクター。7・8キログラムの水素を貯蔵できるタンクや、燃料電池モジュール、初動をサポートする補助電源などを搭載する。同研究所には水素充填設備や駆動の単体評価、高負荷運転時の冷却評価などができる試験設備も設置している。

FCは水素と空気中の酸素を結合させて発電し、電気モーターで駆動させる。水素はバッテリーより重量エネルギー密度が3倍で、電動化が難しいとされてきた中・大型農機などの脱炭素対応に貢献する。

同社は農機、建機の電動化や水素・合成燃料エンジンなどの開発も同時に進めており、「市場特性を見極め、適切なものを投入していきたい」(木村浩人取締役専務執行役員)とする。