コンビニエンスストア大手3社の2024年2月期連結決算が11日までに出そろい、全社が営業利益(事業利益)の過去最高を更新した。国内ではコロナ禍収束後の人流回復や円安によるインバウンド(訪日外国人)の急増などが需要拡大に寄与した。ただ節約志向が顕在化する中、25年2月期連結業績見通しは、上場廃止の可能性があるため非公表のローソンを除き、セブン&アイ・ホールディングス(HD)とファミリーマートが営業最高益の更新を目指す。

24年2月期は細見研介ファミマ社長が「お祭り消費のように追い風だった」と振り返るように各社とも国内事業を中心に好調に推移した。単純比較はできないが、セブン&アイHDの国内コンビニ事業は前期比3・5%増の9217億円に伸長。ローソンの売上高は同8・8%増の1兆879億円、ファミマが同10・0%増の5078億円と拡大した。

25年2月期に入り市場の風向きは変わりつつある。物価高騰は継続し、日銀のゼロ金利解除による金利上昇懸念もあり、個人消費への影響は避けられない。

永松文彦セブン―イレブン・ジャパン社長は「『食』に関して経済性志向が高まっている」と説明。細見ファミマ社長は「購買が低単価にシフトしている」と指摘する。

こうした状況を踏まえ各社が差別化戦略を強化する。セブン―イレブン・ジャパンは客層の拡大を狙い、商品戦略を拡充。中食需要拡大に伴い、各店舗での冷凍食品売り場を拡大する。約100億円を投じて中島・壁面の冷凍什器の設置を進める。また店内での焼成パンの導入を3000店に拡大する。

ローソンはKDDIによるTOB(株式公開買い付け)により上場廃止の可能性があり見通しを開示していない。竹増貞信社長は「店舗在庫可視化による約5000店舗でのデリバリーサービスの展開や、店舗向けの人工知能(AI)による売り切り支援サービスなどで、消費者にさらなる便利を提供する」と訴求する。

また、ファミマはデジタルサイネージ(電子看板)の設置を約1万店舗に拡大した。このリテール・メディア事業を活用して、地方メディアと連携するなど商品の販促を強化する計画だ。