三井住友海上火災保険は、自動車の製造工程で発生する廃棄物に付加価値を付けて再利用する「アップサイクル」でトヨタ自動車と協業する。自動車用シートなどに加工する牛皮の端材でノベルティーを制作し、三井住友海上が就職活動中の学生に配る。ノベルティーの配布を通じて環境配慮に積極的な姿勢を訴求する。端材の再利用に積極的なトヨタと連携し、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた活動を推進する。

高級車ブランド「レクサス」を含むトヨタ車のハンドルやシートなどに使われる牛皮の端材を再利用する。牛皮の約半分は製品に使われず、その多くは焼却廃棄されているという。トヨタは「アップサイクルプロジェクト」と銘打って端材の利活用に取り組んでおり、三井住友海上もこの活動に賛同する。

三井住友海上は、就活中の学生から端材を使ったノベルティーのアイデアを募り、最もニーズがあった「しおり」を企画した。半年以上かけてトヨタと打ち合わせし、試作を経て1万枚のしおりをトヨタが制作した。三井住友海上が2026年4月入社の学生向けに、会社説明会やインターンで配布する予定。

一般的に企業が学生に配るノベルティーは、ボールペンやマスクケース、クリアファイルといった樹脂製の製品が多い。三井住友海上は製造工程で多くの二酸化炭素(CO2)を排出する樹脂から代替素材への切り替えを検討していた。その過程でトヨタのアップサイクルプロジェクトを知り、協業に至った。

近年はSDGsや環境問題に関心の高い学生が増えており、三井住友海上は、新たなノベルティーを通じて「サステナブルな採用活動をアピールしたい」(人事担当者)としている。トヨタは端材利用の取り組みが一層進むことになる。


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