ツバサ(福岡県直方市、末次誠二社長)は、鋼構造物工事業。福岡県宮若市に置く工場で鉄骨の仮組み立てや溶接、塗装を行い、現場で全体を組み立てて引き渡す。顧客であるゼネコンからの信頼は厚い。ロボットについては、品質の均一化と生産性向上に関する経営革新計画が2020年に福岡県の承認を受け、導入を進めた。
ものづくり補助金を活用して21年に導入したのがシグマテック(埼玉県久喜市)の「梁(はり)ロボット」1台。同ロボットはH形鋼などの鋼材の表面を計測しながら移動し、CADで設計した図面通りに仮組み立てのための線を引き、溶接位置などを正確にインクジェットプリントで書き込む「けがき」作業をする。熟練作業者が約30分かかる作業を約7分でこなす。組み立て時の確認時間短縮にもつながった。ただ、ロボット作業後の人による確認は欠かさず、ロボット任せにはしない。
従来けがき作業は人手に頼っており、ヒューマンエラーによる加工不良が発生することがあった。同作業は付随加工だが工程初期のため、品質はその後の全ての加工に影響しかねない。そのため設計と同等の役割と位置付けて重視した。
人手不足や働き手の高齢化が進む中、ツバサでは外国人の技能実習生を活用する場面が増えた。25年1月時点で従業員20人のうちベトナム人とインドネシア人の計7人が働く。けがき工程において実習生は、ロボットの作業を確認することに集中できるようになった。そこで生み出された時間を溶接や組み立ての技術習得に充てている。
ロボットが実現した高い品質や安全性は従業員の意識を変えた。全員に寸法や精度などモノづくりに対するこだわりが生まれた。
末次社長はロボットによって「生産性が向上した。取引先からの評価も高まり、仕事の幅が広がった」と成果を強調。25年度には、けがきスピードが現モデルの3倍という新型ロボット導入も検討する。


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