洋上風力発電の導入拡大に向け、設置場所を領海内から排他的経済水域(EEZ)に拡大することが求められる。今通常国会に提出される関連改正法案の速やかな可決・成立を望む。
九電みらいエナジー(福岡市中央区)やJパワーなどのグループは2025年度中に、北九州市で洋上風力発電所の運転を始める。出力は22万キロワットで、国内最大の洋上風力発電所だ。4月には三井物産や大阪ガスなどのグループが新潟県の村上市と胎内市で洋上風力発電所を着工する。出力は計68万キロワットと、北九州の3倍規模に達する。
現在の国内の洋上風力の総導入量は26万キロワット。普及への期待が膨らむ半面、政府の方針は弱気に映る。第7次エネルギー基本計画案によると、40年度の電源構成は太陽光発電が23―29%。対して陸上も含めた風力発電は4―8%に過ぎない。太陽光パネルが発電できるのは晴れた日中だけで、風力発電は曇天も夜間も発電できる。「太陽光+風力」の組み合わせがベストミックスであり、再生可能エネルギーを主力電源化するためには太陽光偏重から脱却したい。
風力発電の中でも洋上風力は拡大の余地がある。海上は風を遮る物がなく、陸上よりも発電量が増える。周囲を海に囲まれた日本に適した電源と言える。
経済効果も魅力だ。三井物産と大阪ガスなどのグループは、新潟での事業で経済波及効果を6508億円、雇用貢献を3万人以上と試算する。石破茂政権が掲げる地方創生に合致する。
洋上風力の拡大には政府の後押しが欠かせない。政府が22年度に風力発電に使う海域を「促進区域」に指定したことで、10カ所で計460万キロワットのプロジェクトが決まった経緯がある。それまでは漁業を含めた地元調整に時間がかかっていた。
政府は今通常国会で、洋上風力発電をEEZでも設置可能とする再エネ海域利用法改正案を提出する予定だ。24年の通常国会にも提出したが、継続審議になっていた。少数与党ながら国会審議を尽くして同法案を可決・成立させ、脱炭素への歩みを着実に進めてもらいたい。
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