TOTOは半導体製造装置向けにコア部品を供給する新領域のセラミックス事業を強化している。同事業の売上高比率は1月末時点で6%にとどまるが、「中期的に(現在の)数十倍の受注が見込める」(田村信也取締役専務執行役員)と期待する。2026年度までの3カ年中期経営計画で同事業の開発・増産に290億円を投資する。今後、商材や供給先を拡大する方針だ。(地主豊)
日本・海外住設に続く第3の柱とするセラミックス事業は、主力の静電チャックが23年度実績で売上高の約7割を占める。AD(エアロゾルデポジション)部材が約3割、構造部材が約1割と続く。
半導体製造装置に採用されるAD部材は、緻密なセラミックス膜を形成するAD法という技術でコーティングする。プラズマによる腐食を抑制し、装置内で不良の原因となるナノレベル(ナノは10億分の1)粒子の発生を防ぐ。
半導体市況の回復で静電チャックが販売数を伸ばしており、現在は特に構造部材の用途拡大に注力する。フラットパネル・ディスプレーの製造装置が主な供給先だが、他業界への進出を模索する。構造部材は祖業の衛生陶器に用いる「鋳込み成形」技術を用い、最大4メートルの薄肉・中空構造の超大型セラミックス部材を一体成型で実現。幅20メートル級の液晶パネルの製造装置にも活用される。「加工技術を含め、高い精度が必要な分野に活用を広げる余地がある」(清田徳明社長)と見る。
TOTOは衛生陶器の技術を住設以外の新領域に活用しようと、1984年にセラミックス事業部を設立。TOTOファインセラミックス中津工場(大分県中津市)で製造と研究開発を担っていたが、18年に開発機能を総合研究所(神奈川県茅ケ崎市)に集約し、増産体制を強化した。
20年に中津工場の第4棟を新設し、スマートファクトリー化で生産性を大幅に改善。23年度実績で1人当たりの生産性は17年度比で約1・5倍、生産量は13年度比で約2倍に向上した。
セラミックス事業は25年3月期連結業績予想で売上高が前年比38%増の505億円、営業利益が同82%増の200億円と大きな伸びを見込む。中国をはじめ海外住設事業の市況が低迷する中、セラミックスが成長のカギを握る。「需要に対応した生産体制を整え、タイミングとスピード感を重視し先手を打つ」(田村取締役専務執行役員)考えだ。
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