JR東海は伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)と開発する超電導リニアの車両運用システムについて、今夏から一部機能を山梨リニア実験線で運用する。システムを通じ、山梨リニア実験線で超電導リニア車両に関わる車両データ、検査修繕データ、業務データなどを連携。今夏のL0系改良型試験車の投入に合わせ、状態監視機能の運用を始める。

丹羽俊介社長は「JR東海の社員が開発に加わり、自分たちでシステムのコーディングしたことは異例」と、取り組みをアピールした。JR東海はCTCの伴走型開発支援サービス「build service」を活用。JR東海から6人、CTCから4人が参画してスクラムチームを構築し、車両運用システムのアジャイル開発を進めている。

同サービスでのCTCの役割は支援という位置付けで、開発はあくまでJR東海が中心となって進めているのが特徴だ。これまで鉄道事業者はシステム開発を外部に委託することが多かったが、超電導リニアについては、コードの作成などの開発の中核業務をJR東海が担っている。丹羽社長は「システムを内製化することで、今後の改修なども自分たちで対応できるメリットがある」と話す。

JR東海では社員のデジタル教育に力を入れており、2023年からは全社員向けの情報通信技術(ICT)教育をスタート。全社員のデジタルリテラシーの向上を図っている。車両運用システムの内製化はこうした取り組みの一環で、鉄道事業の知見に加え、システム開発にも精通した人材の育成につなげたい考えだ。

開発する車両運用システムは車両データ、検査修繕データ、業務データなどを収集、分析、連携するシステムで、これにより、作業計画、状態監視、装備品管理などの複数のデータを参照する作業が自動化でき、人の手による間接業務が削減できる。

今夏からはこのうち状態監視機能について運用を始めるが、今後さらに作業計画機能や装備品管理機能についても順次導入を目指し、開発を進める。