2025年大阪・関西万博が13日で開幕から1カ月となる。一般来場者は10日時点で累計約241万人、1日平均約8・6万人と無難なスタートだが、会期中の想定来場者2820万人の達成は予断を許さない。一方で開幕後のチケット販売は堅調だ。課題も含め万博の現状を追った。(大阪・広瀬友彦)
万博の開幕から1カ月を総括するのに、4月26―5月6日の大型連休(11日間)の動向は目安になる。連休中の一般来場者は計約102万人だった。日本国際博覧会協会(万博協会)の石毛博行事務総長は12日の会見で「連休中は首都圏からの来場者も目立った。開幕から4月30日までの10万人アンケートで、約8割が総合的に満足したとの回答があった」と手応えを語る。
ただ、1日当たりの来場者同4日の12万516人が最多で、開幕日の来場者の12万4339人を超えられていない。10月13日までの会期中の想定来場者2820万人の達成には1日平均約15万人が必要で、ハードルの高さが浮き彫りになった。
チケットの販売は開幕後、堅調に伸びた。5月9日時点で累計1137万枚を販売し、直近1週間で47万枚増加。特に通期パスの販売は割引キャンペーン効果などもあり、開幕前と比べ約3・1倍の枚数になった。収益が赤字にならない目安の1800万枚に近づくが、石毛事務総長は「赤字、黒字の判断は現時点で早過ぎる」と慎重姿勢を崩さない。
アンケートでは象徴の木造建築物「大屋根リング」や各国パビリオンなどが高評価を得た。ただ、万博協会の予約システムは当日のパビリオン予約の取りづらさもあり、使い勝手の悪さが指摘される。多くの海外館は従来型の並ぶ形や予約との併用で運営し、米国館やイタリア館など人気パビリオンは数時間待ちが常態化している。
万博協会が理想とする“並ばない万博”の実現は難しい。並ばない万博にこだわり予約一辺倒になると、会場に入れても希望するパビリオンが一つも見られない事態になりかねない。“日々改善”を掲げる万博協会の工夫が求められている。
会場への交通アクセスが限定されているのも課題だ。入場ゲートは地下鉄経由の東ゲート、シャトルバス経由が中心の西ゲートの二つ。輸送計画では来場者の約6割が地下鉄利用だったが、実際は約7割と想定され、依存度が高い。地下鉄が事故などで停止すると駅で滞留が起きるリスクは常にあり、西ゲートへの分散が重要となる。今後は広い会場での暑さ対策も大事で万博協会は給水設備を増やすなどして対応する。
158カ国・地域が参加し、「各国の文化と科学がマッチした展示内容で面白い」(経済同友会の新浪剛史代表幹事)と経済界からも一定評価を得ている。日本総合研究所の若林厚仁主任研究員は「万博は単なるレジャー施設でない。無形資産やイノベーションなどの重要性が高まる中、こうした価値を次世代に提供できるかも重要な要素になる」と指摘する。収益や来場者数など数値で表せる価値以外に、万博が及ぼす多様な効果も見る必要がありそうだ。


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