中堅コンビニエンスストアのブランドが、次々に姿を消す。スリーエフは店舗を、ローソンとの「ダブルブランド」に順次切り替える。ファミリーマートはサークルKとサンクスの運営親会社と経営統合し、店舗を「ファミリーマート」へ転換するが、完了の時期を2018年8月と当初予定より半年前倒しする。中堅コンビニは大手と比べ、商品や店舗開発の投資で劣勢だ。単独で生き残る道は狭くなりつつあり、以前に増して厳しい決断を迫られている。

 「さまざまな人が築き上げたブランドを切り替えるのは、重い決断。ただ、今の経営環境を考えると、単独での業績回復を目指すのは非常に厳しい」。スリーエフの山口浩志社長は13日の決算会見で、悔しさをにじませた。17年2月期連結決算は、営業利益が3期連続の赤字だった。

 スリーエフはローソンと15年8月、資本業務提携に向けた協議を始めたが、契約締結は予定より遅れた。16年9月にダブルブランド「ローソン・スリーエフ」の1号店を開いた際、山口スリーエフ社長は「(ローソンは)『何だスリーエフ』と思ったこともあるかもしれないが、水に流してほしい」と、交渉が順調ではなかったことをにおわせた。

 しかし、始めてみれば、ブランド転換店の売上高は転換前と比べ1割以上増えている。「スリーエフとローソン・スリーエフの売り上げを冷静に分析し、(全店舗の転換を)決断」(山口スリーエフ社長)することになった。

 山口社長は「地域に密着した商売をしていく証し」と、店名にスリーエフの名前を残すことにはこだわった。ただ、「ローソン・スリーエフ」はローソンの品ぞろえが基本で、従業員はローソンの制服を着ている。

 ファミマは2月末までにサークルK、サンクスの商品の大半をファミマと統合した。現在残る約4700のサークルKとサンクスは、店舗と商品のブランドがかみ合わっていない状況で、転換を急ぐ理由にもなっている。ファミマは15年12月に吸収合併したココストアの店舗に関しても、予定より早い10カ月で同ブランドとしての営業を終えた。

 セーブオン(前橋市)は2月にローソンとメガフランチャイズ契約を結び、18年末までに全店をローソンブランドに切り替える。ポプラは55店舗を、資本業務提携しているローソンとのダブルブランドにした。ポプラの17年2月期連結決算は、営業損益が4億円の赤字(前期は8200万円の黒字)に転落、18年2月期も営業赤字を見込む。

 合従連衡が進む中、業界4位のミニストップに関しても、ローソンとの統合などの観測が流れている。ローソンの親会社である三菱商事が、ミニストップ親会社であるイオンの株の約5%を持っていることとも関連している。

 ミニストップの宮下直行社長は「よく聞かれるが、今のところそのような話はない」と苦笑する。「規模では負けるかもしれないが、一つひとつの店を強くする」と強調する。
(文=江上佑美子)

【ファシリテーターのコメント】
生活に密着した存在であるコンビニは、品ぞろえや接客に独特のノウハウを培っている。それを生かすのか、効率向上を優先するのか。飲み込まれる中堅も飲み込む大手も、判断を迫られる。
(日刊工業新聞第二産業部・江上佑美子)
日刊工業新聞 記者