物流センターを中心としたサプライチェーン・マネジメント(SCM)領域の基盤提供者を目指すベンチャー企業のGROUND(東京都江東区)が4月に設立から2年を迎えた。インドのグレイオレンジ製の搬送ロボットなど先端技術を積極活用する同社が、物流現場の現状や効率化推進についてどう考えているのか。宮田啓友社長に聞いた。

 ―物流分野でのロボット活用の試みが盛んです。
 「労働力の不足が深刻化し、物流業界の装置産業化が進む。特に早いのが米国。アマゾン・ドット・コムは2012年にロボットベンチャーのキバ・システムズを買収。その後年間5000億円レベルの投資で、4万5000台のロボットが当たり前に稼働するまでになった」
 
 」ウォルマートも3000億円投じてオムニチャネルに対応した次世代物流センターを構築して、建物内で飛行ロボット(ドローン)を活用している」

 「日本も米国に遅れているものの、生産労働人口が年間100万減るなど待ったなしの課題から『やらざるを得ない』形で新技術の活用に着手してきている。ニーズは高まっており、ロボットの活用が進む土壌ができた」

 ―ロボット技術の進化も導入を後押ししていると聞きます。
 「要素技術の進化で利用領域が広がった。顕著なのが蓄電池。電気自動車(EV)やスマートフォンがけん引しリチウムイオン電池のコストが下がった。14年から3年で価格が半額になっている。技術もこなれてロボットに利用しやすい」

 ―ロボットなど先端技術と物流現場との相性は。
 「ロボットなどの先端技術は施設全体の刷新をタイミングとした導入で大きな効果を発揮する一方、区画の一部といった小規模から拡大もできる。商品棚を運ぶ、ピッキングを自動で行う、といった工程ごとに役立つロボットが続々と出てきた」

 」さまざまなロボットや人工知能(AI)などの技術を組み合わせ、自動化や効率化ができれば良いので、先端技術との相性は悪くない。当社は物流施設運営の効率化を担うプラットフォームを目指しており、多くのロボットが出るのは歓迎だ」

 ―ロボットを含めた最新IT技術で物流の課題を抜本的に解決する「インテリジェント・ロジスティクス」の普及を目指しています。手応えは。
 「いまは搬送ロボット『バトラー』が前面に立っているが、我々はロボットだけが持ち味ではない。使うのはどんなロボットでもいいし、自動倉庫でも何でも良い。常に最新技術を組み替えながら進化に応じた仕組みにしていくことが重要だ」

 「着脱可能なシステムで、物流センターを最適化する。その基本ソフト(OS)となるものを当社は開発している。AIも活用する。物流センターの生産性向上は共通課題なので、引き合いは多い」

【記者の目】
 欧米やインドはロボット先端技術を「7割の出来で市場に出し、磨き上げていく」という経営の早さがある。一方、日本は現場人材の工夫、改善で乗り切ろうという考えが強く、物流の次世代化に後れを取った。そんな中でもニトリのように一気呵成(かせい)に先端技術を導入する企業も出てきた。こうした流れをGROUNDがうまく取り込めるか、注目される。
(石橋弘彰)

【ファシリテーターのコメント】
物流分野の高度化、省人化は労働人口が減少する中で社会システムを維持するための必須条件となっている。物流センターは大小さまざまあり、巨大企業だけが生き残る訳ではない。体力のない中小規模の物流センターをどう高度化するか、新たなアイデアが求められる。
石橋 弘彰