《日野自動車で16年ぶりの生え抜き社長。2016年4月から1年間、トヨタ自動車で常務役員として経験を積んだ》

 「3月の発表直前、トヨタの内山田竹志会長と豊田章男社長から内示を受けた。豊田社長からは、『社長に重要なのは決断と責任』とトップとしての覚悟を説かれた。生え抜き社長ではあるが、日野自とトヨタのハイブリッドだと思っている。トヨタは内向きにならないように、外部の情報収集やお客さまのニーズに常に敏感だ。日野自でも、この視点を大切にしたい」

 《90年に発売の観光バス「日野セレガ」では開発を担当。ほろ苦い思い出として残っている》

 「四つのゾーンごとに温度設定などができる『ゾーン・コントロール・システム』といった多数の新しい技術を盛り込んだ。大変好評だったが、製造コストが高くなり収益的に貢献できず、財務部門からお叱りを受けた。このことを教訓に04年に発売した北米向けボンネット型トラックでは徹底的にコストにこだわった」

 《車両の販売からアフターサービスを含めたトータルサポートに力を入れる》

 「世界で稼働する日野自のトラックは約160万台。現状ではそのうち約30%しか車両販売後のビジネスに関わっていない。この数字を50%に高めたい。コネクテッドなどの技術を活用することで車両の効率的な運用などを提案して、お客さまから選ばれるビジネスパートナーになる」

 《仏教美術を好み、日本庭園や仏像を見て回ることで心を落ち着かせる。最近は仕事の時間が増えて家族に迷惑をかけているとも。ゆっくり巡る時間を作りたいという》
【略歴】
81年(昭56)早大理工卒、同年日野自動車工業(現日野自動車)入社。05年中央大院総合政策研究科修士修了。15年専務役員。16年トヨタ自動車常務役員。東京都出身、58歳、6月27日就任。
(文=尾内淳憲)

【ファシリテーターのコメント】
今年はトラックの全面改良があいつでいる。短期的だけでなく中長期でも商用車の自動運転は大きな可能性と課題がある。トヨタとの連携強化は欠かせない。
明 豊