ソフトバンクグループが配車サービス大手の米ウーバー・テクノロジーズに対し、数十億ドル相当の株式取得を打診したと米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が25日報じた。ソフトバンクGはすでに、シンガポールのグラブ、インドのオラ、中国の滴滴出行(ディディチューシン)というアジアの配車サービス大手に出資しており、ウーバーの株式取得で、アジア市場でのウーバーとグラブ、オラの事業統合を目指す可能性があるという。

 関係者の話として報道したもので、両社の協議は初期段階だとしている。ウーバーは現場でのセクハラや差別の横行、グーグル子会社ウェイモによる特許侵害訴訟などで経営が混乱し、6月には共同創業者のトラビス・カラニック氏がCEOを辞任。取締役会が次期CEOを探しているが、人選は難航している模様。WSJによれば新CEOが就任するまでの間、株式譲渡についての両社の合意は保留されるとしている。

 経営が混乱する一方で、ウーバーは世界各地での競争激化に伴い、昨年には中国最大手でライバルの滴滴に中国事業を売却。先日もロシアの事業部門を同国で競合するヤンデックス・タクシーに売却するなど、外国での事業でも困難に直面している。

 東南アジアの配車サービス市場は拡大が見込まれ、ソフトバンクGと滴滴は東南アジア最大手のグラブに最大20億ドルを出資すると24日に明らかにしたばかり。シンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングスによれば、2015年に25億ドルだったアジアの配車サービス市場は、25年に131億ドルまで拡大が見込まれるという。

 ウーバーの株主、取締役会がソフトバンクGなどを対象にした株式の一部売却を検討していることについては、ブルームバーグが15日に報じていた。

【ファシリテーターのコメント】
ウーバーにはトヨタ自動車が、滴滴にはアップルがそれぞれ出資しています。ソフトバンクGがアジアでの配車サービスの主導権を握ろうとする中で、たぶん自動運転技術が絡んでくるのでしょうが、これらの大手企業との関係がどう進展していくのかも非常に気になります。
藤元 正