ふくおかフィナンシャルグループ(FG)は25日、10月に予定していた長崎県の十八銀行との経営統合を期限を設けず延期すると発表した。それに伴い2018年10月予定の十八銀行とふくおかFG傘下で長崎県の親和銀行との合併も延期する。ふくおかFGの柴戸隆成社長は福岡市内で会見し、「長引くことで取引先に不利益がないように」と述べ、引き続き統合の実現を目指す姿勢を示した。

 延期は公正取引委員会の審査が長引いているため。今後は、統合を理由に金利を引き上げてないことを定期的に確認するための情報開示や第三者で構成した委員会がアンケートなどでサービス品質を監視・評価する仕組みの実施なども説明して理解を求める。

 ふくおかFGは長崎県の人口減少や少子高齢化を背景に「将来にわたり地域銀行本来の役割を果たしていくためには経営統合による効率化が不可欠」(柴戸社長)としている。

 一方、公取委は、統合でふくおかFGの長崎県内での貸し出しシェアが大幅に高まることから競争への影響などを慎重に審査している。それに対し、ふくおかFGは、他の銀行に債権の一部を譲渡してシェアを抑えることも含め検討していた。

【ファシリテーターのコメント】
 再延期となったものの、ふくおかFGと十八銀が統合を目指す狙いには、人口減少や高齢化による市場縮小に備え、地元の金融システムを安定的に維持することがある。こうした社会構造の変化は九州に限ったことではなく、全国の地銀が直面する課題だ。
 マイナス金利の導入で預金と貸出金の利ざやが縮小していることもあり、地銀の収益環境は厳しさを増す。収益力を上げて生き残るための手段としても、統合や提携は「地銀の経営戦略上、選択肢の一つになっている」(地銀幹部)。
 大和総研の内野逸勢主席研究員は、厳しい事業環境や金融庁の政策スタンスに変化がないことから、「今回の延期で地域内の有力地銀同士の統合は難しくなったとしても、地域をまたいだ経営統合・連携についてはあまり変化がないだろう」と指摘する。
池田 勝敏