九州工業大学は宇宙航空研究開発機構(JAXA)やIHIなどと連携し、2018年度にも液化天然ガス(LNG)燃料エンジンを搭載した再使用型有翼ロケット実験機を米国で打ち上げる。機体には複合材を採用。全長4・6メートル、重さ1トン程度を想定し、打ち上げコストを1億円以内とする計画だ。繰り返し使えるスペースプレーン(宇宙航空機)の実用化に向けた試金石となり、民間主導の宇宙分野の開発、利用促進に貢献しそうだ。

 九州工大の米本浩一教授らの研究グループを中心に、IHI、川崎重工業、東レ・カーボンマジック(滋賀県米原市)、中国工業(広島市中区)などがコンソーシアムを組み機体を開発する。18年春に予備機の飛行試験を実施し、19年3月にも誘導制御した形で実験機を打ち上げる。

 今回の試験では高度6キロメートル程度までにとどめる。将来は同100キロメートル超を目指す。

 搭載するLNGエンジンはJAXAからの委託を受けてIHI、IHIエアロスペース(IA、東京都江東区)が開発する。エンジンは真空推力3トン級。IA相生試験場(兵庫県相生市)で今秋にも中核部品のターボポンプの試験を実施し、17年度内には燃焼試験を実施する予定だ。

 ターボポンプのうち、耐圧、気密が要求される構造部材や流路形状が重要な翼部品などは3Dプリンターで製作する方針だ。機体への搭載に当たり、IHI、IAはJAXAとの契約に基づき技術支援役務を提供する。

【ファシリテーターのコメント】
再使用ロケットの打ち上げは、米スペースXが成功させるなど米国が先行する。国内官需が約9割を占める日本の宇宙機器産業においても、新たなプレーヤーの創出が産業振興のカギを握るだろう。
明 豊