米アイロボットがアマゾンやアップル、グーグルなどに対し、家庭用ロボット掃除機「ルンバ」で収集した利用者の室内データを売り込もうとしている、という内容の一部報道について、同社のコリン・アングル会長兼CEOが、「室内のマップやデータは売却しない」と完全否定するコメントを出した。ルンバが個人宅の情報まで吸い上げるスパイロボットではない点をはっきりさせ、懸念払拭に努めている。

 室内データ売却の話は、アングルCEOに対する24日付のロイターのインタビュー記事で初めて報道された。これに対し、プライバシー保護の観点からテクノロジー関連ニュースサイトであるZDネットの記者がアイロボットに公開質問状を送ったところ、CEO名での返答で先の報道内容を否定したという。

 正式コメント以外のZDネットとのやりとりでも、アイロボット側は「(記事の内容は)誤解であり、アングルCEOは顧客のマップやデータを他社に売却するとは言っていない」「これまでデータの取引について他社と協議をしたこともなければ、将来売るつもりもない」と断言している。

 ロイターのインタビュー記事の中で、同CEOは「今後数年以内に、アマゾン、アップル、(グーグル親会社の)アルファベットという『ビッグ3』のうち1社以上と、マップ情報の売却で合意に達する可能性がある」と話したとされる。その後、ロイターは、「マップ情報の売却」の部分を「顧客の承諾に基づく無料のマップ共有」に修正した。

 そもそも、ロボット掃除機が収集した室内のマップ情報やデータがなぜ重要視されるのか。それは、空間を詳細にマッピングする技術が、ネット接続の家電製品(コネクテッド・デバイス)を活用するスマートホームを実現させる上で、カギになると見られているためだ。一方で、アイロボットのルンバは低価格の競合製品との競争に直面し、それらとの差別化が課題になっている。

【ファシリテーターのコメント】
ご参考まで、文中でリンクを張ったロイターの日本語版の翻訳記事は修正されていないかもしれません。オリジナルの英語版では記事の冒頭に修正の断り書きがあります。http://www.reuters.com/article/us-irobot-strategy-idUSKBN1A91A5
藤元 正