東芝株式が1日付で東京証券取引所の市場第1部上場から2部に降格される。東証の規定により、債務超過が確認されたことに伴う措置で、日経平均株価構成の225の銘柄からも外れる。ただ、同社をめぐっては債務超過解消のカギとなる半導体子会社の売却交渉が不透明で、上場自体が廃止されるリスクが高まっている。

東証1部として最後となった31日の東芝株の取引。この日は前営業日比6円8銭高い246円で取引を終えた。

 東芝は2部降格で日経平均の構成銘柄からも外れる。日経平均は東証1部の上場約2000社の中から代表的な225の銘柄が選ばれ、算出している。東芝は長らく電機業種の代表銘柄だったが、2部降格で構成銘柄から外れ、代わってセイコーエプソンが1日から採用される。

 この銘柄入れ替えに伴い、市場では一波乱を懸念する声があった。機関投資家は日経平均に連動する投資信託を運用先に組み入れていることが多い。東芝が日経平均から外れれば、投資家は東芝株を売却し、セイコーエプソン株を買い入れる必要がある。

 このため31日は銘柄入れ替えの取引が集中、市場全体への影響が危惧されたが、結局大きな波乱なく、日経平均は前営業日比34円66銭低い1万9925円18銭で取引を終了。セイコーエプソン株は同132円高い2911円と年初来高値で、売買代金もトップとなった。

 ただ、東芝の2部降格は既定路線。焦点はむしろ、上場を維持できるのかにある。半導体子会社を売却し、2018年3月末までに債務超過を解消できなければ上場廃止になる。

 売却交渉とは別のリスクもある。10日に期限が迫った17年3月期の有価証券報告書(有報)をめぐり、PwCあらた監査法人と工事損失引当金の認識時期で協議が難航。有報で不適正意見や意見不表明が出る可能性も指摘されている。

(文=杉浦武士)

【ファシリテーターのコメント】
東芝は60年以上にわたり上場を維持し続けてきた。その老舗企業が上場廃止となるのか。市場関係者からは先行きを懸念する声が出ている。
(日刊工業新聞経済部・杉浦武士)
日刊工業新聞 記者