住友商事はカナダの木質ペレット製造会社、パシフィック・バイオエナジー(ブリティッシュコロンビア州)に出資した。出資額は数十億円で、株式の47.6%を取得した。パシフィック・バイオエナジーは、同州に3カ所の工場を保有し、年間55万トンの木質ペレットを生産。カナダの木質ペレット市場では生産能力で2位となっており、大半を欧州に輸出している。

 住商ではパシフィック・バイオエナジーへの出資を通じ、木質ペレットの供給体制を構築する。今後見込まれるアジアを中心としたバイオマス発電の需要増加に対応する。

ファシリテーター・江原央樹氏
 海外においては、欧州や北アメリカなどでは、木質や家畜廃棄物等のバイオマスを中心としたエネルギー利用が盛んであり、バイオマス発電や熱利用設備メーカーも多数存在する。

 国内においては、2012年7月に開始された再生可能エネルギーの固定価格買取制度の活用によりバイオマス発電設備の導入が本格化し、農林水産省のレポートによると平成28年11月末時点で、約307万kWの発電設備が稼働している。

 また、電気利用だけではなく熱利用も加味したうえで、今後の主な課題として以下4つが挙げられている。
・原料の効率的な収集・運搬システムの確立
・バイオマス製品等の販路の確保
・幅広い用途への活用(高付加価値化)
・製造・利用技術の低コスト化

【ファシリテーターのコメント】
 これらそれぞれの課題に対処していくためには、やはり具体的な導入モデルを多くつくり、具現化の壁になった具体的な事象とその克服策について明らかにし広くノウハウとして普及することが必要である。なお、弊社の経験上、具体的な導入モデルを構想する段階が非常に重要である。
 電気と熱の同時利用を基本にした場合、熱の需要量に合わせたバイオマス発電設備と熱利用設備を設計する必要があるが、温暖な気候である我が国において経済性を担保するほどの熱需要がある適地を探すことは容易ではない。また、安定的にバイオマス原料を調達できるという条件を付加するとよりその困難さが増す。このことが、国内におけるバイオマスの電熱利用のネックになる可能性が高い。
 そこで、提案としては、工場と農林漁業のコラボレーションである。食品や医薬工場では、調理や殺菌など製造工程で熱需要が豊富であるし、自動車等の塗装工程でも脱脂や乾燥工程で熱が必要となる。もちろん電気の需要もある。ついては、工場に電気・熱を供給するバイオマスコージェネレーション設備を地域が保有し、未利用財の原料調達からエネルギー供給までのサプライチェーンを実現することで、工場にとっては高いエネルギー総合効率を実現することによるコスト低減のメリットが生まれ、地域にとっては、バイオマス新産業化や新工場誘致による新たな雇用や地域内資金循環の創出の可能性がある。

江原 央樹