ロボット掃除機の市場を作り、育ててきた米アイロボット。今度は同社のロボット掃除機「ルンバ」の全タイプがWi―Fi(ワイファイ)でネットワークとつながり利便性が高まる。IoT(モノのインターネット)とルンバの組み合わせで何ができるのか、同社のクリス・ジョーンズ技術部門バイスプレジデントに聞いた。

 ―ルンバがインターネットとつながる効果は。
 「上位機種のルンバ900シリーズはネットに対応している。スマートフォンのアプリケーションを使い、ルンバが掃除した総面積や汚れがひどかった場所などを間取りの地図でスマホに示す機能がある。地図はルンバが内蔵カメラで撮影したデータで作る。こうした機能を生かし利用者がより使いやすい機能にしていく」

 「家庭内の機器やセンターがつながり、便利になる『スマートホーム』の中でもルンバが役立つだろう。地図データは多くの家庭内の機器が必要とするものだ。いまは上位機種だけの機能だが、将来は全機種で地図を作れるようにしたい」

 ―米国ではルンバが人工知能(AI)スピーカーと連携したそうですね。
 「米アマゾン・ドット・コムの音声認識『アレクサ』やグーグルのAIスピーカー『ホーム』とはつながり、音声でルンバに指示が出せる。日本もAIスピーカーが発売されるようだが、発売後すぐというわけにはいかない。だが、早めに音声認識操作の利便性を与えたい」

 「アイロボットは必要な要素技術について、外部と内部を比べ選択する。音声認識は外部技術を採用した。だが、状況が変化すれば分からない。地図作りなど画像認識ではアイロボットが良い技術を持っている」

 ―AI技術はどう活用していくのですか。
 「AIは900シリーズに搭載している。カメラによる地図作成、掃除をしたか、していないかの判断、充電ドックの位置把握などに利用している。将来は画像認識機能を高めることにもっとAIを使うことになる。家具の位置を知り、汚れ具合を判断して掃除の仕方を変える、とかいったものだ」

 ―いまは掃除ロボットが中心です。ほかのロボットを出すことはありますか。
 「スマートホーム化の流れの中で、機器をつなぐ役割を持つ機能は欲しいが、まだ分からない。新たな機能に向けては研究開発を続けている。ルンバや拭き取りロボット『ブラーバ』はかなり進化してきた」

 」だが、理想は利用者がロボットに触れず、姿を見ることなく掃除が終わっている、という見えない存在にすること。我々はルンバでロボット掃除機の世界シェア6割を維持し続けている。継続した研究開発によるもので、今後も技術開発を続ける」

 ―ソフトバンクがアイロボットに出資したという話があります。
 「何も言えない。ノーコメントだ」

【ファシリテーターのコメント】
アイロボットは技術を持つベンチャー企業への投資も熱心だ。家庭内のどの機器が電力を多く消費するか分かる技術や、新方式のセンサー技術の企業に投資した。アマゾンのウェブサービスとも連携を深める。具体的な話は聞けなかったが、スマートホームでの中心的な役割を果たそうという狙いだけははっきり見えてくる。
石橋 弘彰