三菱自動車は中型スポーツ多目的車(SUV)「パジェロスポーツ」の中国生産を6月をもって中止した。販売は継続する。今後はSUV商品群の中でも、都会的なデザインと高い走行性能を併せ持つ中型SUV「アウトランダー」の販売に注力する。

 中国ではSUV人気が高まる中、高級感やスタイリッシュさが求められている。現地ニーズに適した車種の生産・販売にリソースを振り向けることで、成長需要を取り込む。

 パジェロスポーツは本格オフロードSUVで車高が高く、悪路や冠水路での走破性の高さなどが特長。同社の世界戦略車としてタイやフィリピンなどASEANを中心に販売しており、中国では広州汽車との合弁会社の広汽三菱汽車(GMMC、湖南省)で13年に生産を開始。16年は前年比16・6%増の4726台を生産している。

 GMMCでは従来、パジェロスポーツと小型SUV「ASX(日本名はRVR)」を生産していたが、16年8月からはアウトランダーの生産も開始している。

 アウトランダーは都会的な外観や走行安定性を兼ね備え、従来は日本から輸入し、販売していた。16年から現地生産に切り替えたことで輸送費や関税を抑えられ、価格競争力を高めた。16年の生産台数は1万8678台だった。
日刊工業新聞2017年8月3日

米国は失速、中国は大丈夫か
 トヨタ自動車の中国での販売は順調に拡大している。2016年は販売台数約121万4200台(前年比8・2%増)と過去最高。17年1―6月も過去最高の同約62万4000台(前年同期比5・4%増)で好調だ。グループ世界販売台数が年間1000万台超のトヨタだが「伸びているのは中国くらい」(トヨタ首脳)と重要な市場。中国では年間販売台数200万台の目標を掲げており、市場の状況を見極めながら確実に需要を取り込む構えだ。

 ホンダは「内陸部ではまだまだ需要があり、長期的に伸びる」(八郷隆弘社長)と中国市場の成長性に期待を寄せる。同社は中国で17年に134万台の販売を計画。5年連続の過去最高を狙う。日産自動車も18年3月期に前期比9・3%増の148万台を見込む。

日刊工業新聞2017年8月2日記事から抜粋


【ファシリテーターのコメント】
ただ、現地では17年1月の小型車への減税幅縮小などを背景に、減速感も漂う。欧州や地場メーカーを含めた販売競争が激化し、収益性低下の懸念もある。日産の西川広人社長は「いかに収益性を落とさず、販売を伸ばすかがポイント」という。また中国政府は車メーカーに販売台数の一定数を電気自動車(EV)などの新エネルギー車(NEV)とする規制を早ければ18年にも導入する構え。EVやプラグインハイブリッド車(PHV)など電動車の開発・販売が喫緊の課題だ。このため、ホンダは18年に中国専用EVを発売、日産も18年以降に廉価版EVなどを投入する計画だ。
(日刊工業新聞第一産業部・土井俊)
日刊工業新聞 記者