「昨年7月にマツダ本社を訪問した。その時案内されたのは社長室ではなくテストコース。(マツダ車に)好きなだけ乗ってください“モリゾウさん”と呼ばれた」。記者会見で豊田章男社長は、提携拡大に向けて踏み込んだきっかけになったエピソードを明らかにした。生粋の「カーガイ(クルマ好き)」として知られる豊田社長にとって、スポーティーなクルマに特化して商品力を高め、経営危機から立ち直ってきたマツダはクルマ作りのいいパートナーになると認識したようだ。

 今後両社は検討委員会を作って、具体的にどういった分野で提携するかを検討する。「今後の成果がどうなるかは、中長期的な目線で出したい。どうぞお楽しみいただきたい」(豊田社長)。「トヨタの持つさまざまな商品、技術の知見の高さを、両社が一緒になって進めていくことで新しい価値が生み出せるのではないかと思っている」(小飼雅道マツダ社長)とした。

会見要旨
 ―なぜ今提携するのか。
 豊田社長 両社とも挑戦し続けたいという思いが長くあった。その後、HV技術やメキシコでの協業で互いに信頼感が生まれた。個別のプロジェクトにとどまらず、中長期目線で協業しようと機が熟したのが今だ。

 小飼社長 HVとメキシコで協業する中で同じ志を持った会社であると理解した。開発・生産プロセスも似ている。それが提携を進めたいと思った大きなポイントだ。

 ―今回の提携の成果物は。
 豊田社長 まずはHVとメキシコの協業がどう育つかに尽きる。それ以降は中長期目線で出したいから楽しみにしてほしい。両社のエンジニアが一緒にやれば、どんな化学反応や商品が出るか。ワクワクしている。顧客がほしいと思う車が作れるような環境ができれば、期待を超える成果が出る。

 小飼社長 商品や技術の相互補完もある。それがメキシコでありHVの協業プロジェクトだ。新世代技術「スカイアクティブ」やデザインテーマ「魂動」を進めているがそのレベルを上げないといけない。トヨタの持つ商品・技術の知見の高さで一緒に進んでいけば新しい価値が生み出せる。

 ―トヨタは自前主義にこだわってきたが。
 豊田社長 マツダの「スカイアクティブ」はトヨタの「TNGA」より1周先を走っている。規模が大きいから解決できないことがある。マツダを参考にできる点は多々ある。

【ファシリテーターのコメント】
トヨタとマツダが資本提携で最終調整していると各メディアが報じてます。もちろん資本関係も重要だが、具体的に何をするのかをはっきりさせないと。自動車業界で、中途半端な提携でうまくいかないケースも数多く見てきているので。
明 豊