男性中心のイメージが強い建設業界にあって、コーナン建設(大阪市北区)は大阪市から女性活躍リーディング・カンパニーに認定された。同社は関西と首都圏に特化した中堅ゼネコン。働き方改革でも注目されている。

【実力主義を徹底】

もともと実力主義に基づいた終身雇用を原則とし、生え抜き社員を育成してきた。その中で男女分け隔てなく働きやすい職場環境を整備し、一般事務職から総合職への転換も奨励。その結果、現在女性社員の比率は2割弱に達する。オール女性の人事部を率いる坂入喜代枝取締役執行役員は「産休、育休などの制度は定着した」と評価する。育児短時間勤務の対象も、小学3年生までに広げた。

コロナ禍以前から在宅勤務環境整備に投資してきたこともあり、3月には速やかにリモートワークを導入できた。女性活躍推進法に基づき2022年度から従業員101―300人の企業にも義務付けられる行動計画策定にいち早く着手するほか、国連の持続可能な開発目標(SDGs)とビジネス成長の両立を見据えた五つの専門委員会を設置するなど「質的ナンバーワン企業を目指す」(原眞一会長)方針だ。

【30分単位の休暇】

高周波誘導加熱装置などを手がける富士電子工業(大阪府八尾市)も業界そのものは男性中心。同社でも、かつては若手女性社員が結婚や出産のタイミングで離職し、みすみす優秀な人材を手放してしまうことも少なくなかったという。

そこで取り組んだのが、女性が働きやすい環境を徹底的に進めること。その一つが勤務時間制度の改善だ。2012年には無給ながら30分単位で休暇を取得できる制度も導入。子どもの急な発熱などで短時間だけ仕事から離れる場合も、1日分の有給休暇を取得せず対応できる。同社では一連の働き方改革により、05―08年の平均で57%だった新卒採用の離職率が、17―20年は同15%に改善した。

【補助職じゃない】

しかし女性社員の定着率を上げるには、彼女らの働く意欲を引き出すことが何よりも必要だ。同社でも仕事に対する意識改革を進めてきた。ただ多くの企業では思ったほど女性の活躍の場は広がっていない。「女性が補助業務をしてくれる人だと思っている経営者層はいまだに多い」と、渡辺弘子社長も苦言を呈する。

コロナ禍はテレワーク普及など働き方改革を促すとともに、景気悪化で企業の改革が後手に回る恐れもある。中小企業経営者の強い意志が問われそうだ。