筑波大学は「数理・データサイエンス(DS)教育強化拠点コンソーシアム」における「協力校」のうち、関東・首都圏ブロックの代表校。データサイエンス教育を情報リテラシー教育の一つに位置付け、「データサイエンス」という新科目を作り、2019年度から全学の1年生を対象に必修科目として開講した。DSの科目を設け、全学レベルで必修化したのは全国の総合大学で初めてという。

筑波大には人文・文化、社会・国際、生命環境、理工などから、専門の体育、芸術まで多岐にわたる分野があり、1学年約2100人が学ぶ。1973年の開学以来、基礎的な情報リテラシーとコンピューターの利用技術の修得を目的に全学1年生の必修科目として「情報」があった。だが、「データに基づく客観的な判断や意思決定の必要性は今後さらに高まる」(共通科目「情報」推進室長の佐久間淳教授)と判断し、17年度からDSの必修化に向けて実施体制の検討に着手した。

【授業2コマ連続】

19年度から、秋学期に講義・演習各75分の授業2コマ連続で10週間の「データサイエンス」を学べる体制に変えた。学生は1クラス約50人で1人1台のコンピューターを利用。単にデータ分析するだけでなく、講義計画の前半ではデータに関する法規や倫理など網羅的に学ぶ。20年度はコロナ禍でオンデマンド型授業となった。

文系や体育分野など非理工系分野まですべての学生に対応可能な標準教材、演習課題を用意。スキルに応じて授業内容を柔軟に構成できるように設計されている。専門分野によって学生の興味も異なることから、「生命科学とデータサイエンス」、「現代サッカーボールの空力特性」など、データサイエンスを活用するさまざまな専門分野の教員によるビデオ講義も用意した。

【学ぶ動機高める】

20年度には学ぶ動機を高めてもらおうと、履修する学生がキャリア意識など約20問の設問に答え、集まったそれらのデータを学生に解析してもらう演習課題を取り入れた。

佐久間教授は「専門分野によっては興味が強い学生が多いとは限らないが、仕事とデータは切り離せない社会になっていることを、演習を通じて学んでほしい」として、今後も講義と演習の内容を高めていく方針だ。