豊田通商は今春から、30代までのグローバル職社員全員に海外経験を積ませる仕組みをつくる。研修や駐在などを早期に経験することでキャリア形成の幅を広げられるようにする。出産や育児を経験した女性社員が再び海外で仕事をしやすいようにする狙いもある。同社が事業展開する120カ国が対象で、社員の希望もある程度加味した上で行き先を決めるという。

国内外を問わず転居を伴う異動をする「グローバル職」の若手社員が対象。これまでも8割以上の社員が30代前半までに駐在などで海外を経験してきたが、駐在が不可欠な仕事とは何かを経験・理解させる。

豊田通商はグローバル人材の育成や登用に力を入れており、本社やグループ会社の社員を対象にした国内外のビジネススクールでの約半年間の研修や、各国・地域の課題解決をテーマに経営人材を育成する研修などを設けている。2021年には本社部長に海外現地法人の社員を初めて抜擢したほか、例年20―30人の海外社員を日本に駐在させるなど人材の多様化も進めている。

世界各国で事業を展開する総合商社は、若手社員が海外経験を積める制度を設けている。三菱商事は「グローバル研修生制度」の下、原則的に入社8年目までの全社員を対象に海外経験を積ませる。また、三井物産は現地の言語や文化などを習得し、各国・地域の専門家を育てるなどの「若手海外派遣制度」がある。