労働力人口が減少する中、国をあげたデジタル化や働き方改革によって生産現場の効率化が急がれている。建設業界では、ビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)の活用が推進され、現場の生産性向上が進められている。

BIMは、建築物の3次元(3D)モデルに構造や資材の納まりなどさまざまな情報を付与して管理する手法。BIMによって廃棄資材の削減や工期の短縮などの効率化が期待される。

野原ホールディングス(東京都新宿区、野原弘輔社長)は、BIMをより効果的に活用する基盤「ビルドアップ」を開発した。意匠図や構造などの単純なBIMデータから、半自動で協力専門業者(サブコン)の求める情報に詳細化する。

元データを起点に基盤上で行われるため、作成された施工図や見積もり結果、また現場の施工状況などを各建設工程間で把握できる。データを利用して建材の選定や発注、プレカットができるほか、プレカットした建材を2次元コードで管理できる。

2次元コードを用いて建築資材を管理する

野原HDと東急建設が行った実証実験では、BIMで必要な建材数量を把握することで、現場廃材の二酸化炭素(CO2)重量が従来工法に比べ約5%、プレカットの効果も含むと40%減少した。作業工程も同40%減の27マンアワー(人時)となった。またプレカットによって現場の高速カッター使用回数が40%減り、騒音の減少や労働災害の防止にも繋がった。

BIMが浸透すると今まで分散していた建材の発注が設計段階に集約される。建材の卸売りが中核事業の同社は、自らシステムを提供し、川上の設計段階に介入することで自社の取り扱い製品の提案を強化する。ただ、今後は競合商社の参入も想定しているという。

山﨑芳治最高デジタル責任者は「我々だけでは利用者の選択肢が狭まる。囲ってしまうと非効率が残る」と指摘する。利用者が増え、データが蓄積されればBIMデータの詳細化も高精度化し、建設業界全体の改革が進む。自社の商機の獲得と、業界全体の課題解決を平行して取り組む考えだ。