厚生労働省は、人工知能(AI)を用いて、介護施設などに入居する高齢者の病気の早期発見や、重症化の予防を行う実証研究に取り組む。生体情報(バイタルサイン)のデータを収集し、過去にかかった病気の診断などを組み合わせて定量的な評価を確立する。AI活用の有効性が確認できれば、緊急の手当が必要な患者の治療にあたる急性期病院の負荷軽減などにも応用が期待できる。2017年度から19年度まで、最長で3年間の実証研究の実施を予定している。

 同研究を行う機関は公募する。複数の医療機関や介護施設が参加する体制であることを公募の採択条件の一つとする予定。例えば慢性期や在宅医療を受けている患者の離床率など、AI活用の効果を統計学的な手法を使って、客観的に分析できるように大学などの検証機関を加えることも想定する。

 各種端末によって脈拍や血圧などのバイタルサインのデータを計測・収集したり、医療や介護従事者の負担を軽減するためにタッチパネルなどを用いて問診や観察、介護記録を入力、収集したりすることができる体制も求める。

 バイタルサインを継続して計測し、病気の種類の分類の確立や、これまでかかった病気の経歴に基づいた診断のアルゴリズムの開発につなげる。

 アルゴリズムに基づいた診察を行うことにより病気の早期発見や、重症化予防に関する定量的な評価を確立する。これにより医療や介護従事者の負担軽減にも結びつける考えだ。


【ファシリテーターのコメント】
医療の質・安全性向上のため、さまざまな分野でAIの研究が進むが、中でもニーズが高いのが介護認知症領域だ。医療の均てん化に役立つだけでなく、医療・介護従事者の負担の軽減にも生かされる。
村上 毅