湖池屋がスナック菓子の高付加価値化を加速している。9月4日にコンビニエンスストアで「プライドポテト」の新商品2品、同25日に「カラムー超」「すっぱムー超」の2品を発売する。さらに希少性で“幻のジャガイモ”とされる、「北海道・今金男しゃく」を使用した数量限定のポテトチップスを今秋に発売予定。少子・高齢化でスナック菓子の購買層が大人に広がる中、プレミアム商品で差別化し生き残りを目指す。

 「スナック菓子市場は販売数量の減少と販売単価下落の二つの危機に直面している。既存ユーザーにとらわれない、新たな市場をつくる」。佐藤章社長は力を込める。

 スナック菓子の代表的存在であるポテチは店頭で1個88円など値引き販売されることが多く、薄利多売商品傾向が顕著。佐藤社長が着目した生き残りキーワードは高単価、大人向け市場、おつまみ市場の三つ。その中でもプレミアム商品の価格帯で、新市場を作りたいと強調する。

 国内市場は少子高齢化と並び、高所得者と低所得者の二極化が進行。さらに非婚者などで世帯の少人数化が進む一方で、世帯数は増加している。働く女性が増えたことにより、調理済み食品である中食の需要も拡大している。「スナック菓子も影響の例外ではない。変化をチャンスととらえ、挑戦していく」と強調する。

 2月発売のプライドポテトは店頭想定価格が150円前後と、特売ポテチの2倍近い商品。9月4日に発売する2品は「長崎平釜の塩」「柚子香るぶどう山椒」で、名産地域の国産食材と手揚げ食感にこだわった。

 秋発売の「今金男しゃく幻の芋とオホーツクの塩」は298円前後とさらに高価で、プライドポテトブランドの最高級商品に位置付ける。和牛と伊勢エビ、白ワインの風味を追求した新商品も今冬発売を計画している。

 カラムー超と、すっぱムー超はそれぞれXO醤、オリーブ油とトリュフの風味にこだわり、「大人のおつまみ」を意識した。定番品のポテチも発売55周年を機会にパッケージをリニューアルし、日本産ジャガイモ100%を強調する。

 高価格・高付加価値の第1弾商品で発売したプライドポテトは発売直後に品切れになる人気になった。ところが北海道の台風災害で起きたジャガイモ不足の影響を受け、販売を一時休止せざるを得なかった。現在は調達のめどがつき、再開している。

(文=嶋田歩)


【ファシリテーターのコメント】
「スナック菓子市場の約85―90%が特売と言われる。特売の存在を無視することは不可能だが、(プレミアム商品市場を)良く見ながら育てていく」と佐藤社長。価格挑戦の戦いは始まったばかりだ。
日刊工業新聞 記者