日本旅行は全国のローカル線で、観光列車の企画・運行を通じた地域の観光振興に乗り出す。地元自治体や鉄道会社と連携して、沿線の魅力を引き出す、乗って楽しい観光列車を設定。車窓からの景色や地域の“おもてなし”を訴求し、誘客と路線維持につなげる。2018年は新たに2カ所程度で運行を計画するほか、全国各地で可能性調査を進める。

 日本旅行は16年から北海道の第三セクター鉄道・道南いさりび鉄道で、観光列車「ながまれ海峡号」を運行し集客に成功している。

 国内で運行中の観光列車は鉄道会社が企画したものがほとんどで、旅行会社が企画・運行する例は他にない。

 ながまれ海峡号は、「身の丈にあった観光列車」(砂子隆志新規事業室室長)とし、豪華列車とは違い、内装の改造費用を抑えた。普段は通勤・通学用に使い、観光列車運転時にはヘッドレストやテーブルを設ける。

 景色や車内で提供する地元産の食事、停車駅での地元の人からの接遇、非日常体験が好評だ。

 ながまれ海峡号で培ったノウハウを元に、各地で鉄道を観光資源化して地域活性化を推進する。営業企画本部の地方創生推進本部に、企画提案できる人材を育てるとともに、実際に運営する各地域営業本部と本社の連携体制を構築した。すでに、各地の自治体や鉄道事業者などから相談が多数寄せられている。

 日本旅行はJR西日本の連結子会社で、観光列車の第2弾は島根県のJR木次線で地元自治体との協業で企画した。

 11月中旬に、普段は定期列車に使っている気動車にカーペットを敷き、カフェ風に仕立てた女性向けの観光列車を運行する。



【ファシリテーターのコメント】
全国各地で観光列車が走っています。最近では鉄道会社が企画した超高級列車がクローズアップされていますが、地元と旅行会社が一丸となって沿線おこしに取り組む例が増えればと思います。
昆 梓紗