学校法人「森友学園」が補助金を不正受給した疑いが持たれている事件で、学園の籠池泰典前理事長は、大阪地検特捜部の捜索を受けたことについて、20日朝、報道陣に対し、「反省すべき点もあるが故意ではない」などと主張しました。

「森友学園」の籠池前理事長(64)は、運営する幼稚園で専従の教職員の数や障害がある子どもの数を水増ししたり、小学校の建設工事で金額が異なる契約書を国に提出したりして補助金を不正に受給した疑いで告訴、告発されています。

大阪地検特捜部は19日夜から20日朝にかけて、学園の事務所がある大阪・淀川区の幼稚園や豊中市にある籠池前理事長の自宅などを捜索しました。

捜索のあと、籠池前理事長は自宅で報道陣の取材に応じ、「こちらに反省すべき点もあるが、故意ではない。行政当局との協議の中で進めたことだ」と述べました。そのうえで、幼稚園への補助金の不正受給について、「申請はすべて私自身がしており欠けている点があったことは申し訳ない。しかし、毎年の府の監査にも問題があったのではないか」と述べました。

さらに、小学校の建設工事で国や大阪府などに金額が異なる契約書を提出していたことについては、「金額の異なる契約書の存在は後から聞いた」と述べました。

「森友学園」には国有地が鑑定価格より大幅に安く売却され建設中だった小学校の名誉校長が安倍総理大臣の夫人の昭恵氏だったことなどから、国会などで議論になりました。

これに関連して、籠池前理事長は、「きのうの安倍総理大臣の記者会見直後の捜索には強い違和感を覚える。いわゆる森友疑惑の本筋は今回、容疑になっていない。立件するには安倍総理大臣夫妻を捜査対象にせざるをえない」と述べました。
【「心から深くお詫び」】学校法人「森友学園」が大阪地検特捜部の強制捜査を受けたことについて、籠池泰典前理事長の長女で今の理事長の籠池町浪氏が弁護士を通じて謝罪のコメントを出しました。

籠池町浪理事長は、「関係者の皆様には、多大なるご迷惑をおかけしており、誠に申し訳なく心から深くお詫び申し上げます。捜査に全面的に協力するとともに、学校法人の運営のあり方を根本から反省し、再発防止に向けて取り組んでまいります」としています。

そして、幼稚園などはこれまでどおり運営するとしたうえで、「教職員が誠心誠意、真心をこめて園児の教育にあたらせていただく所存です」としています。

「森友学園」は一連の問題の発覚後、経営が悪化して自力での再建が難しくなったため民事再生手続きが開始され、裁判所の監督のもと再生計画案の策定が進められています。
【「捜査受けているのはしかたない」】森友学園が運営する幼稚園では、20日午前6時すぎまで大阪地検特捜部の捜索が続き、およそ2時間後の20日午前8時すぎから子どもたちがバスなどで登園しました。

園児の母親は、「私たちのわかることではないが、いろいろあって捜査を受けているのはしかたない。幼稚園は新しい園長先生の体制でスタートしているので、子どものためにも園が続いてくれたらいいと思っています」と話していました。
【「きっちりとやってほしい」】学校法人「森友学園」が強制捜査を受けたことについて大阪・梅田ではさまざまな声が聞かれました。

豊中市に住む70代の男性は、「きっちりとやってほしい。捜査が始まるのが遅かったのではないかと思う」と話していました。

また同じ豊中市に住む30代の女性は、「地元が学園が運営する幼稚園の近くで、幼稚園が教育熱心だと評判がよかったのでびっくりした。教育に関わる人々の不正は許せないし、子どもをそのような所には通わせたくない」と話していました。

東京都から訪れていた40代の男性は、「きな臭い印象しかないので、そこを払拭(ふっしょく)するような事実があるならちゃんと説明してほしい」と話していました。