気象庁は12日、全国の活火山の去年12月以降の活動状況や警戒すべき点について発表しました。噴火が発生したり火山活動が高まったりして、全国の7つの火山に「火口周辺警報」が、2つの海底火山に「噴火警報(周辺海域)」が発表されています。

【火口周辺警報は7火山】今後の噴火によって火口周辺や居住地域の近くに影響がおよぶおそれがある「火口周辺警報」が発表されているのは、群馬と長野の県境にある「浅間山」、宮崎と鹿児島の県境にある霧島連山の「新燃岳」、鹿児島県の「桜島」、「口永良部島」、「諏訪之瀬島」、それに小笠原諸島の「西之島」と「硫黄島」の合わせて7つの火山です。
【噴火警戒レベル3は3火山】このうち、居住地域の近くまで影響が出るおそれがあり、入山規制が必要な「噴火警戒レベル3」は、霧島連山の「新燃岳」と「桜島」、「口永良部島」の3つの火山に発表されています。

霧島連山の「新燃岳」では、去年12月2日、火山性地震が201回観測されるなど、12月の上旬にやや多くなりました。火山性地震が1日に200回以上観測されたのは、去年10月18日以来です。

また、山頂火口直下の浅いところが震源と見られる低周波地震も時々発生しました。
地盤の伸びを示す地殻変動のデータも引き続き観測され、地下深いところでマグマが蓄積していると考えられるとして、気象庁は、火口からおおむね2キロの範囲では大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけています。

桜島では噴火活動が続き、去年12月は昭和火口で噴火が1回観測されたほか、南岳山頂火口でもごく小規模な噴火が時々発生しました。

南岳山頂火口では1月にも噴火が3回観測され、このうち10日の噴火は「空振」と呼ばれる空気の振動や地震を伴う爆発的な噴火でした。気象庁が去年12月に行った現地調査では、火山ガスの放出量は、1日当たり1000トンから1800トンほどとやや多い状態でした。

また、鹿児島湾奥部の「姶良カルデラ」の地下にある「マグマだまり」に、マグマの供給が続いていることを示す地殻変動が観測されていて、気象庁は今後も噴火活動が継続すると考えられるとして、昭和火口と南岳山頂火口からおおむね2キロの範囲で大きな噴石や火砕流に警戒を呼びかけています。

口永良部島では、新岳火口付近のごく浅い所を震源とする火山性地震が、去年12月は合わせて331回と、前の月と比べ153回減少しましたが、地震が多い状態が続いています。
また、火山ガスの二酸化硫黄の放出量は、4年前の平成26年8月の噴火の前より、やや多い状態が続いています。

気象庁は、3年前の平成27年5月の爆発的噴火と同じ程度の噴火が発生する可能性は低くなっているものの、引き続き噴火の可能性があるとして、火口からおおむね2キロの範囲では大きな噴石や火砕流に、向江浜地区などでは火砕流に警戒するよう呼びかけています。
【噴火警戒レベル2は2火山】火口の周辺への立ち入りなどが規制される「噴火警戒レベル2」は、「浅間山」と「諏訪之瀬島」の2つの火山に発表されています。

平成27年6月にごく小規模な噴火が発生した浅間山では、山頂火口直下のごく浅い所を震源とする火山性地震が去年12月は551回発生し、前の月に比べ減りました。
一方、地下の熱水や火山ガスの動きを示すと考えられる火山性微動が時々観測されたほか、火山ガスの放出量は1日当たり700トンから1000トンとやや多くなっています。
また、夜間に高温のガスなどが雲などに映って赤く見える「火映現象」も時々観測されました。
地下のやや深い所にあるマグマだまりにマグマが供給されていることを示すと考えられる地殻変動も続いていて、気象庁は火山活動はやや活発で今後も小規模な噴火が発生する可能性があるとして、引き続き山頂火口からおおむね2キロの範囲では噴火に伴う大きな噴石に警戒を呼びかけています。

諏訪之瀬島の御岳火口では、ごく小規模な噴火が時々発生しました。
今後も火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生すると予想されることから、気象庁は、火口からおおむね1キロの範囲では、噴火に伴う大きな噴石に警戒を呼びかけています。
【入山危険と火口周辺危険は2火山】噴火警戒レベルが導入されていないものの、「火口周辺警報」が発表されているのが、小笠原諸島の「西之島」と「硫黄島」です。

小笠原諸島の西之島では、去年8月11日以降、山頂火口からの噴火は確認されていないものの、今後も噴火が再開する可能性があるとして、気象庁は、火口からおおむね1.5キロの範囲では噴火に伴う大きな噴石に警戒するよう呼びかけています。

硫黄島は、地面の温度が高く、火山活動がやや活発な状態が続いていて、気象庁は、火口やその周辺で噴火に警戒するよう呼びかけています。
【海底火山に「噴火警報(周辺海域)」】「福徳岡ノ場」と「ベヨネース列岩」の2つの海底火山には、周辺海域に影響を及ぼす噴火が発生するおそれがあるとして「噴火警報(周辺海域)」が発表されています。

小笠原諸島の近海にある「福徳岡ノ場」の周辺では、火山活動によると見られる海面の変色が確認され、気象庁は、小規模な海底噴火が発生すると予想されるとして、周辺の海域では警戒するよう呼びかけています。

伊豆諸島の青ヶ島の南にある「ベヨネース列岩」では、火山活動によると見られる海面の変色や気泡が時々確認されています。
気象庁は、小規模な海底噴火が起きる可能性があるとして、周辺の海域で警戒を呼びかけています。
【警報なし・レベル1も注意】全国の活火山の中には噴火警報が発表されておらず、噴火警戒レベルもレベル1の火山がありますが、過去に噴火を繰り返してきた活火山であることに変わりはなく、気象庁や自治体が発表する情報に注意が必要です。

霧島連山の「えびの高原の硫黄山」では、去年12月17日から21日にかけて火山性地震がやや増加したほか、22日には地下の熱水や火山ガスが関係していると考えられる低周波地震が発生しました。
地盤の伸びを示す地殻変動のデータも引き続き観測され、地下深いところでマグマが蓄積していると考えられるとして、気象庁は火山活動に注意するよう呼びかけています。
【最新の火山情報の確認を】各地の火山活動の状況や注意点は、気象庁や各地の気象台、自治体のホームページなどで確認することができます。
【平成29年の地震活動】気象庁は、12日、平成29年の1年間に日本やその周辺で起きた地震活動のまとめを公表しました。

それによりますと、震度1以上の揺れを観測した地震の回数は2025回で東日本大震災の前年、平成22年までの3年間の年平均回数と比べると依然多い状態が続いています。
マグニチュード7以上の地震の発生はなく、これは平成9年以来です。
また、日本で津波を観測した地震もなく、こちらは昭和63年以来のことでした。

気象庁は、大きな揺れとなる地震はいつ、どこで起きてもおかしくないとして、平成30年も油断せず、地震への備えを進めてほしいとしています。