長くて暑かった今年の夏もついに終わりを迎え、みなさん涼しい秋を満喫していることでしょう。そんな秋のお楽しみは、なんといっても“食”。昔から「実りの秋」と称されるほど次から次へと美味しい作物が収穫される秋は、食いしん坊にはたまらない季節です。それに暑い夏は食欲が落ちて食べ物が喉を通らなかったという人たちにとっても、ようやく人間らしい食生活が送れると、ホッとする季節でもあるでしょう。でも、その反動で太ってしまう「秋太り」になってしまう人は、毎年後をたちません。食べ物が美味しいのはわかりますが、だからといって食べ過ぎは良くないですよね。ところがこの秋太り、実は食べ過ぎだけが原因ではなさそうなんです。人間の基礎代謝には年間の変動があって、秋のはじめが一番低いらしいのです。つまり、何が言いたいのかというと、秋はほかの季節よりも食べた量が余剰扱いされ、体重がその分増えてしまうというわけです。
「そんなこと言っても食べ物は美味しいし、夏バテも治ったから食欲はあるし、どうすればいいのよ」と嘆くアナタにぴったりな対処法があります。それが、今話題の「短鎖脂肪酸」です。ビフィズス菌などの腸内細菌が水溶性食物繊維やオリゴ糖などをエサにして作り出す短鎖脂肪酸は、近年の研究で体脂肪の減少、基礎代謝の向上、内臓脂肪の蓄積予防効果などの抗肥満作用をはじめ、免疫機能や持久力アップなどの健康をサポートする効果があることが明らかになっています。つまり、太りにくい腸内環境を作る短鎖脂肪酸なら、ちょっとばかり食べ過ぎても腸内でなんとかしてくれるというわけなのです。
「自分の腸の中で短鎖脂肪酸が作られることはわかった。では、どうすれば作れるの?」と気になっているアナタのために、短鎖脂肪酸が作られる仕組みを紹介しましょう。

腸内細菌がいるだけでなく、どんなエサを与えるかが短鎖脂肪酸を増やすカギ

まず一番重要なのは「ビフィズス菌」入りヨーグルトを選ぶこと。人間にとってビフィズス菌は乳児期に最も多く、加齢とともに減少します。前述したように、短鎖脂肪酸を作り出す大元になるのがビフィズス菌なので、とにもかくにもビフィズス菌を摂取するのが第一条件です。最近はスーパーに行けば江崎グリコの「BifiXヨーグルト」や森永乳業の「森永ビヒダスヨーグルト」、雪印メグミルクの「ナチュレ 恵 megumi」、ダノンジャパンの「ダノンビオ ヨーグルト」など、様々なビフィズス菌入りヨーグルトが普通に売られているので、それらの中からお気に入りを見つけてください。
そして次のステップが“エサ”を与えること。ビフィズス菌は有能ですが、それだけでは短鎖脂肪酸は作れません。重要なのは、ビフィズス菌にどんな“エサ”を与えるかということ。よく知られているのは、食物繊維を多く含んだ野菜や果物、きのこを食べることです。これらの食物繊維が大腸に届くと、腸内細菌のエサとなり、短鎖脂肪酸が作られます。また近年の研究では、チコリやごぼうなどに多く含まれているイヌリンや、バナナなどに多く含まれているフラクトオリゴ糖などの水溶性食物繊維やオリゴ糖が短鎖脂肪酸の産生に有効であることがわかっています。そして、もっとも重要なのが「続けること」。自分の好みの食べ方のパターンを見つけて、毎日のルーティンにしましょう。

ビフィズス菌入りヨーグルトを使ったおすすめレシピ

『焼き芋とグラノーラヨーグルト』

ヨーグルトに買ってきた焼き芋とグラノーラをかけて食べるだけの超簡単レシピ。朝食にはもちろん、おやつにも。しっかり混ぜて食べるとより美味しくなりますよ。
【材料1人分】
ビフィズス菌入りヨーグルト(無糖)……100g
焼き芋(市販品)……1/2本(150g)
フルーツグラノーラ……30g 
【作り方】
①グラスにヨーグルトを入れる。
②皮をむいてひと口大に切った焼き芋とグラノーラを入れる。

『バンバンジー風サラダ』

コンビニで買った海藻サラダを使って、たっぷりの食物繊維とたんぱく質を一皿で摂取。さっぱりとしたピリ辛のヨーグルトごまだれは、しゃぶしゃぶや豆腐サラダにも相性◎。
【材料1人分】
サラダチキン……1/2〜1個(100g)
アボカド……1/2個(70g)
ミニトマト……4個(50g)
海藻サラダ……1パック
<ヨーグルトごまだれ>
ビフィズス菌入りヨーグルト(無糖)……100g
白すりごま……大さじ2 
みそ……小さじ4 
砂糖……大さじ1/2
おろしにんにく……小さじ1/2
ラー油……適宜
【作り方】
①アボカドは食べやすい大きさに薄切りにし、ミニトマトは半分に切る。サラダチキンは薄切りにする。
②器に海藻サラダと①を盛り合わせ、混ぜ合わせたヨーグルトごまだれをかける。

『キャロットラペのカレー風味ヨーグルトナッツサラダ』 

フランスの定番家庭料理「キャロットラペ」をカレーヨーグルト風味にアレンジ。きんかんのさわやかな甘みがポイントです。
【材料2人分】
にんじん……大1本(200g)
塩……小さじ1/2
ゆで大豆……80g 
レーズン……40g 
きんかん……4個(50g) 
くるみ(無塩・ロースト)……40g   
<A>
ビフィズス菌入りヨーグルト(無糖)……200g
カレー粉……小さじ2
粉チーズ……大さじ2
砂糖……大さじ1/2
塩・こしょう……少々
【作り方】
①にんじんはせん切りにし、塩をもみ込んでしんなりしたら軽く水気を絞る。
きんかんは薄切り又は半分に切る。くるみは粗く刻む。
②ボウルにAとレーズンを入れてよく混ぜ、①のにんじんとゆで大豆を加えて混ぜてなじんだら、きんかんとナッツを加え、軽く混ぜ器に盛る。

『さつまいもとりんごの甘煮のヨーグルト』 

秋冬の旬の食材をたっぷり使った甘酸っぱいヘルシースイーツ。冷やしてしっかり味を馴染ませてからヨーグルトと和えるのがポイント。
【材料2人分】
ビフィズス菌入りヨーグルト(無糖)……200g
さつまいも……1本(220g)
りんご……1/2個(120g)
ドライプルーン……6粒(60g)
レモン汁……小さじ1
砂糖……30g
シナモンパウダー……適宜
【作り方】
①さつまいもは洗って皮付きのまま1〜1.5㎝厚さの半月切りにして、たっぷりの水につけ、水が白く濁ったら水けをしっかりときる。りんごは皮をむいて芯を取り除いて、ひと口大に切る。
②鍋にさつま芋とプルーンを入れて、ひたひたの水と分量の砂糖を入れて強めの中火にかける。煮立ってきたら落し蓋をして、弱火にして10分煮たら、りんごを加えて再度蓋をしてさらに7〜8分煮る。
最後にレモン汁を加えて火を止め、そのまま冷ましながら味をなじませる。
③器にヨーグルトを半分ほど敷いて、その上に②をのせ、上から残りのヨーグルトをかけてシナモンをふる。

前述したように、重要なのは続けること。管理栄養士の金丸絵里加さんが伝授してくれたこれらのメニューは、どれも毎日でも食べたくなる美味しいものばかりなので、毎日の食事に取り入れて、秋太り知らずの健康的なカラダを作りましょう!

監修:管理栄養士 金丸絵里加さん

金丸さんのプロフィール
管理栄養士・料理研究家・フードコーディネーター。テレビ出演、雑誌取材、書籍の出版のほか、旅館やレストランのメニューコンサルタントにも従事。毎日食べても飽きずに「おいしい!」と顔がほころぶ、食べてホッとするような「お家ごはん」が得意。書籍、雑誌、テレビなど多数メディアで、栄養価計算(カロリー計算)や栄養指導、ダイエットアドバイスなどを加えながら、健康的な食生活のための料理レシピを提案している。著書に『女子のやせ定食』(光文社)、『365 日のサラダ』(永岡書店)他多数。