近年、日本でも投資に関する意識が高まってきています。投資の種類はさまざまですが、昔から人気のある商品の一つに「金」(ゴールド)※以下ゴールドがあります。
ゴールドは長い歴史を持ち、世界中で貴重視されてきました。その輝かしい歴史の中で、ゴールドは安全資産としての地位を築き、経済の不安定な時期には特に重宝されてきました。近年、目を見張るほどゴールドの価格が暴騰中である事も注目されております。
そんな中、世界屈指の金地金オンライン取引業者、「Bullion Vault社」の独占代理店である「Bullion Japan株式会社」の子会社で、現地で金の採掘を行う「Magnolia Mining社」の望月陽一郎氏に現地の生活や、採掘に関する興味深いお話が聞けたのでレポートいたします。

金発掘ビジネスに着目した経緯

Magnolia Mining社 望月陽一郎氏

当初は単純に金地金の売買から入ったわけですが、2017年にトランプ政権が発足し、北朝鮮が極めて頻繁にミサイルを発射した影響で、金の価格が32ドル付近からあっという間に38ドルに高騰しました。さらに、コロナの影響や、ウクライナ戦争の勃発で急騰しました。「有事の金」という言葉があるように、歴史的に見ても有事が起きたときにはゴールドの価格が上昇する傾向があります。現在では、67ドル付近を維持しています。正直言いますと、ビジネスに着目したというより、たまたまケニアという場所で、たまたま私たちの鉱山で、金価格の高騰を背景に経済合理的に金の採掘ができたのです。まさに、「そこにゴールドがある限り、掘らない理由がない」という感覚でした。

採掘プロセスと技術

地層の確認作業

採掘から精錬までのプロセスは様々ですが、基本的な概念として、鉱石を粉砕し、選鉱し、シアン化させて精錬するというのが大まかな流れです。 ここでは詳細は省きますが、一言で鉱山業と言っても様々な知識が必要です。例えば、地球科学、地質学、化学、冶金工学、鉱物学など、各専門分野を幅広く理解する必要があり、それらの学位を持った人材が鉱山会社で働いています。私たちはこれらの専門職の人材をジンバブエ、南アフリカ、タンザニアからヘッドハンティングしてきましたので、これからの展開が非常に楽しみです。

地元コミュニティ・雇用などへの影響

現地スタッフたちと小さなクリスマスイベント

まさに、地元コミュニティとの共存・共栄がケニアでの成功の鍵だと考えています。専門職以外にも、力仕事が必要な場面がありますので、現地の労働者はすべて地元住人を採用しています。また、ランチやブレイクの時は、地元の方々に炊事をしてもらい、給料の範囲内で好きなように飲食をしてもらいます。さらに、ちょっとした故障やメンテナンスも基本的に地元の方にお願いしており、極力、地元住人の雇用が増えるよう努力しています。過去には村の役場を作ったこともありました。

実際に採掘したゴールド

私たちを魅了してやまないゴールドですが、現地の鉱山事情は興味深いものですね。 続いて、具体的な事業について詳しくお話を伺いました。

Bullion Japanグループの今後の展望

私どものグループは、2017 年末頃から、ケニアでのゴールド採掘ビジネスに参入いたしました。 当初は取れたゴールドを香港で売却するという流れでしたが、2019年に起こった香港民主化デモやコロナの影響などあり、現在は売却先を中国圏から中東ドバイへシフトしています。
ケニアの鉱山もゴールド埋蔵量ベースで 1.2t 以上は把握できており、これをテコにオーストラリア市場への上場を予定しています。私どもの鉱区は、5㎞四方に広がり、東京の品川区と同じくらいの規模になります。現状では未調査の対象鉱区が無数にある状況で、非常に大きな可能性を秘めているエリアだと確信していますが、人材などのリソースが足りていない状況です。
そこで、オーストラリア市場で IPO することにより、豊富な資金と優秀な人材を確保し、 生産量を単月 15 ㎏程度まで引き上げることでキャッシュフローにも強みを持たせ、埋蔵されている資産と安定した収益性の両輪で価値を高めていく予定です。
今回、Bullion Japan社の筆頭株主にならせて頂き、同社の子会社としてケニアの採掘事業 をオーストラリア市場で上場させることで、グループ全体の価値を高めます。これにより一 層、Bullion Japan社のサービスに安心と信頼が得られ、相乗効果を生むこと事でしょう。 さらに、胴元のサービス提供者である本社の Bullion Vault社にゴールドを売却することで、 ゴールドの採掘から販売まで一貫したサービスを提供し、極めてユニークな企業グループへと成長していくでしょう。

何か失敗談などあれば聞かせてください
恥ずかしい話ですが、最初のケニアでのゴールド取引では、まんまと騙されてしまったんです。今では考えられませんが、偽物のゴールドを掴まされてしまいました。そこから独自で色々と現地を調べ、ケニアでゴールドビジネスの将来性を模索していきました。ここまでに至る話は長くなるので、ぜひ、ケニア入りしてから 7年間書き続けているブログを読んでください。

マサイマラ国立公園

他にも色々とありましたね。ご想像通りケニアは日本とは比べ物にならないほどの後進国です。ビジネスの現場でも、従業員の働く姿勢やモラルが日本とは全く違い、常に目を光らせていないと不正が横行します。しかし、ケニアはイギリスの植民地だったこともあり、独立以降も自由経済と民 主主義が浸透している国です。欧米系銀行のリテール部門も進出していたり、公用語も英語だったりと、後進国の中でも比較的にビジネスインフラは整っていると言えるかも知れま せん。

金鉱山業界とはどんな世界ですか

西ケニアの町、キスムの同社の精錬所

最近、日本でもゴールドに関わるきな臭い案件が横行しているようですが、金鉱山業界は魑魅魍魎とした世界です。当時、知識の浅かった我々は、各工場の視察をさせてもらっても、 肝心のゴールドが取れる瞬間は、セキュリティー上、絶対に見せてくれませんでした。そんな状態の中、精錬所を作る事から始めたわけですが、何度も精錬の仕組みを聞いても実際にゴールドが取れる瞬間を見たわけではないので、半信半疑な状態でした。

地質調査の風景

しかし、運も幸いし、その精錬所はなんとか無事に稼働する事ができ、初めてゴールドが取れた瞬間は本当に感動したのを覚えています。その精錬所の開業をきっかけに、業界の人との人脈が一機に広がりました。同じ業界となれば、お互い色々と情報交換をしたり人材を紹介しあったりと、全く違う景色が見え始めましたね。そこからも紆余曲折はありましたが、どうにか現在の鉱山開発に至りました。

今後の課題や長期的な展望

まずは、金地金がオンライン取引できる私どものサービスについてですが、こちらは画期的なサービスにも関わらず極めて認知度が低いので個々のテコ入れをしていきたいです。
ゴールドは世界の市場で取引されていますが、現物価格はロンドンの金地金専門取引市場(LBMA)で価格が決まります。この市場に一般投資家が直接に参加することは出来ません。 参加するとすれば、間接的に大手仲介会社などを介して購入する必要がありますが、Bullion Vault社のサービスにより国内で「個人」が「g 単位」で、極めて低い手数料で取引が可能になりました。そして、購入された金地金は、チューリッヒ、ロンドン、ニューヨーク、トロント、シンガポールの貴金属専門保管業者により特別保管されます。特別保管とは、g 単位で個々のお客様に紐づいて保管される仕組みです。
さらに、各地の保管業者から毎日レポートが届きます。是非、この画期的なサービスを国内に広げていきたいですね。 また、Bullion Japan社の子会社であるMagnolia Mining社の豪州(ASX)上場も 今年のメインイベントと言えるでしょう。まだ手を付けたばかりの地質探査にも関わらず、ある程度の埋蔵量が確認できています。これからは安定した生産力と広範囲の調査を行い、企業価値を高めて行きたいと考えています。
Bullion Japan社HP:https://bullionjapan.jp/

今回のインタビューを通じて、金鉱山での実際の取り組みやビジネスの舞台裏に触れる貴重なお話を聞くことができました。普段は装飾品としても私たちを魅了するゴールドにまつわる魅力的な世界が、より身近に感じられることでしょう。今後も、ゴールドの価格やBullion Japan社の取り組みに注目していきたいと思います。


望月陽一郎氏プロフィール
ロンドン大学ロイヤルホロウェイ校を卒業後、日系大手専門商社で就業し、その後、日本の金融業界へ転業。
国内証券会社のMAをきっかけに同社代表取締役に就任。
2012年、株主とポレートガバナンスについての意見の相違により自主退社。
その後、海外の人脈や金融業界での経験を強みにコンサルティング会社を設立。
2017年、ケニアで金の取引の依頼を起因に、現地法人設立、代表取締役就任。
ケニア共和国にて、鉱山開発から、香港やドバイの売却先を発掘し、貴金属の輸出入ネットワークの構築に成功し、現在に至る。

アフリカで働く社長のブログ:https://ameblo.jp/afrika-gold/

撮影協力
ジャズバー季立(キリ):https://jazzbar-kiri.jimdofree.com/