「年収600万円はないと結婚、ましてや子育てなんてできっこない!」そんな言説がネットニュースなどで散見されるが、年収が低くても結婚して家族を築いている人たちは少なくない。確実に世帯年収400万円でも幸せな家庭を築ける。では、収入が低くてもパートナーになってくれる女性とは、どこで出会えるのか?婚活のプロに話を聞いてきた。
◆低収入の男性はどこで出会うのか
婚活分析アドバイザーの三島光世氏は、「結婚相談所に登録する女性は独特」と前置きしつつ、婚活業界の変化をこう解説する。
「これまでの彼女たちは、婚活のデータを見ようともせず、年収は600万円以上で専業主婦希望と夢見がちでした。ですが、コロナ禍で雇用の不安定さや男性の年収が思ったほど伸びないことをようやく実感。その結果、共働きの意思を示さなければ、男性から選ばれないことを悟り始めました。
このように、少しずつ女性の考え方は変わってきていますが、それでも結婚相談所で相手を探すなら40代で300万円台だと、あまり出会いは期待できないでしょうね」
◆年収400万円世帯が多い地域に引っ越すのも手
そこで、同じ年収帯の女性にアプローチしやすいマッチングアプリや、懐事情を察してくれる職場の人からの紹介が出会いの場として浮上してくる。
「都心に住んでいるなら、年収400万円世帯が多い地域に引っ越すのも手です。そもそも都心は特殊ですから、郊外の居酒屋などに通う独身女性との出会いを探したほうが、金銭感覚が近いので、お互い見栄を張らずに済みます」
◆経済力だけが決め手だと思わないで
結婚は必ずしも経済力だけが決め手ではないと三島氏は続ける。
「恋愛と違い、婚活女性は会話やデートを通して、経済観念や浪費癖などをチェックしています。年収が600万円以上でも、毎日コンビニ飯で、趣味や嗜好品に散財し、貯蓄がゼロなら、女性はそっぽを向きます。対して、家事能力が高く、堅実に定期預金もしていて、前向きな年収400万円の男性なら魅力を感じるはずです」
◆年収380万円の高卒男性が成婚した事例も
実際、昨年4月に三島氏の元を訪ねた49歳・年収380万円の高卒男性は、12月に44歳・大卒の女性と成婚に至ったという。
「ただし、会話では仕事の愚痴をやめる、デートの早い段階で『結婚したら財布を渡す』と伝えるなど、考え方や振る舞いをかなり改善してもらいました。前のままなら、結婚は難しかったでしょう。現実問題として、年収の低い男性はほかでカバーするしかない。どんな場所で婚活するにしても、まずは第三者の客観的なアドバイスに耳を傾けるのが第一歩です」
「どうせ俺なんて」と卑屈になるよりも、考え方を変えることが、幸せな家庭への近道だ。
【婚活分析アドバイザー・三島光世氏】
成婚率45%を誇る結婚相談所「ganmi」代表。婚活初心者専門コンサルタント。著書に『婚活は「がんばらないほうが」うまくいく』(秀和システム)など
取材・文/週刊SPA!編集部
―[[世帯年収]400万円の幸福]―