―[誰も知らなかったゴルフの真実]―

 教える側の経験則や主観で語られてきた既存の指導法とは一線を画す論理的なレッスンで、YouTubeチャンネル登録者数38万人とゴルファーから絶大な人気を誇るティーチングプロの三觜喜一氏。「自身の集大成」と位置付けるゴルフレッスン本『誰も知らなかったゴルフの教科書』が発売された。そんな彼が『週刊SPA!』で1年半に渡って繰り広げてきた“誌上レッスン”をここに公開!

◆Lesson32 狙った目標に飛ばせないのはアドレスが間違っている!?

 ボールの打ち出し方向はほぼインパクト時のフェースの向きで決まり、球筋(曲がり方)はヘッドの軌道によって決まる。これが「Dプレーン理論」といわれる、物理的なエビデンスに基づいた“飛球法則”です(Lesson28を参照)。

 ただ、狙ったターゲットに対して正確にボールを運ぶことができないのは、インパクト時のフェースの向きやヘッド軌道だけではありません。アマチュアに多いのが「アライメントのミス」です。

 アライメントとは、アドレス時の体の向きのこと。ボールと目標を結ぶターゲットラインに対して、スタンスやヒザ、腰、肩といった体のラインをスクエアにセットすることが、アドレスの基本中の基本と言われています。

 でも、本当にそうでしょうか? 僕はそうは思っていません。多くのアマチュアは「正しいアライメント」を大きく勘違いしています。

◆「打ちたい弾道に対してスクエアに構える」が正解

 正しいアライメントとは、ターゲットに対してスクエアに構えることではなく、「自分が打ちたい、打とうと考えているショットの弾道や球筋に対してスクエアに構えること」なんです。たとえば最近のPGAツアー中継では、選手がショットしたときの弾道をカラーのラインで表示してくれますよね。あの映像のように弾道、球筋のラインをターゲットから逆算してイメージし、そのラインに対してアドレスを取る。ターゲットに対して真っすぐではなく、打ち出したい方向に対して真っすぐ構えるのがゴルフの真実なんです。

 しかし、そんな真実が理解できていても方向の“合わせ方”を間違ってしまうと意味がありません。

 ボールの後方からクラブをかざし、ボールと打ち出し方向のラインを確認(写真①)。ボールの少し先の地面にスパット(目印)を見つけて、そこに対してフェースを真っすぐに合わせてスタンスを決める……(写真②)。ティーイングエリアでこんなふうにアドレスに入っているアマチュアをよく見かけます。「これがアドレスの正しい手順だ」と書かれたゴルフ雑誌やレッスン本もしばしば見かけますが、それを忠実に守っているとしたら、即刻やめるべきです。

◆地面にスパットを作るのはミスの原因になる

 ボールの先の地面にスパットをつくっても、まったく意味がないどころかミスショットの原因にもなるからです。なぜなら、通常のショットはパットのようにボールが地面を這って転がるのではなく、打ち出しから角度がついて空中を飛んでいくもの。最もロフトが小さいドライバーでも、15度前後の打ち出し角度があります。

 写真③のようにアドレス時の目線で見たとき、地面に真っすぐ引いたターゲットラインと、実際にボールが飛んでいく飛球ラインにはズレが生じます。地面のターゲットラインに対して、飛球ラインはかなり右を向いているように見えるもの。これはボールを真上からではなく、斜め上から見ているために起こるズレです。

 飛球ラインを無視し、地面のターゲットラインに合わせて真っすぐ飛ばそうとしたら、ボールは打ち出したい方向よりも左に飛び出してしまうのは明白。次回以降、正しいアライメントの取り方について、さらに深く掘り下げていくことにしましょう!

【Lesson32 結論】
地面にスパットをつくると飛球ラインとのズレが生じてミスが出る

構成/舟山俊之

【三觜喜一】
みつはしよしかず●’74年、神奈川県生まれ。日本プロゴルフ協会認定ティーチングプロA級。ジュニア育成、ツアープロコーチとしても活躍。YouTubeの「三觜喜一MITSUHASHI TV」は登録者数38万人超

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