90分周期を守った6時間睡眠、うがい薬でコロナ予防、梅干しや甘酒などの発酵食品は体にいい……これまで我々が正しいと信じていた健康習慣の中には、実は体を害する危ない行為が存在する。健康になるつもりが、かえって不健康になる日常の意外な習慣とは?今回は毎日の行為、排尿時の危険性について聞いてきた。

◆おしっこを我慢し立って用を足すのはNG

 電車での移動中や仕事時など、ついおしっこを我慢してしまうケースは多い。しかし、おしっこを我慢すると血圧が上がり、排尿時に失神してしまうケースもある。

「おしっこを我慢すると、膀胱の筋肉がキュッと締まって交感神経が興奮し、緊張やストレスを感じている時と同じように血圧が上がる」

 こう説明するのは、“ミスター血圧”の異名を持つ渡辺尚彦氏だ。では、なぜ放尿時に失神が起こるのか。渡辺氏が続ける。

「おしっこを我慢して徐々に上昇していた血圧が、排尿時に一気に下がる。この瞬間に血圧の乱高下が起こって、脈拍も緩くなり、失神してしまうことがあるんです」

◆「特に朝は血圧が上がりやすい」

 常に血圧計で自分の血圧を測る渡辺氏。長時間の電車移動で尿意を催し、目的地までトイレを我慢した際には、排尿前175㎜Hgだった血圧が、排尿後125㎜Hgまで下がったそうだ。

 男性が立ち小便をしている際に失神すると、倒れて頭を打ったり、頸椎を損傷したりして、寝たきり生活になってしまう可能性も。さらに渡辺氏は「特に朝は血圧が上がりやすい」と警告する。

「朝は尿が溜まっている状態で、寝汗をかいているから血液もドロドロ。起きるだけでも交感神経が緊張して血圧が上がるので、朝一番の排尿時は注意すべき」

 起床後の3時間は“魔の時間”と呼ばれ、脳卒中や心筋梗塞を発症しやすいそうだ。

◆排便時にも注意が必要

 また排便時にも、注意が必要だ。

「交感神経は痛みを感じると過敏に働くため、便意を我慢したりお腹の痛みを感じると血圧が上昇しやすい。しかも排便時は排尿時と違って力むので、その瞬間に頭の血管が切れて亡くなるという最悪の事態もあります」

 おしっこも便も、とにかく溜めずにこまめに出すことが大事だ。

◆▼対処法「血圧低下の“合谷”で排尿失神を防ぐ!」

 渡辺氏によれば、手の親指と人さし指の間にある水かき部分の少し奥にある“合谷”というツボを押すことで、血管が拡張されて血の巡りが改善し、血圧が下がるという。おしっこを我慢している時に押すと、血圧の乱高下を防ぐ。

【高血圧専門医・渡辺尚彦氏】
内科医としての活動の傍ら、東京女子医大内科では、教授としても活躍。著書に『血液循環の専門医が見つけた押すだけで体じゅうの血がめぐる長生きスイッチ」(サンマーク出版)など多数

<取材・文/週刊SPA!編集部>

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