元迷惑系YouTuberのへずまりゅう(30)。2020年、愛知県岡崎市のスーパーで会計前の魚の切り身などを食べたり、大阪アメリカ村の衣料品店で購入したTシャツを「偽物でしょ」と店員に言いがかりをつけたりするなどして、窃盗や威力業務妨害などの罪に問われていた。判決は懲役1年6ヶ月、保護観察付きの執行猶予4年が確定。
 
 現在はYouTubeのアカウントを作成してもすぐに削除(BAN)されてしまい、安定した収入源を作ることができない状態だった。多額の借金も抱えていたという。

 そんななか、今年2月に約1か月のホストクラブ勤務で1360万円の売り上げを叩き出し、そのうち800万円も貢献した女性と婚約発表。今後は、どのように収入を得ていくつもりなのか。じつは、社会貢献活動で“反迷惑系YouTuber”を目指し、夫婦でチャンネルを立ち上げる構想もあるとか……。

◆元カノの親の借金を肩代わり「YouTubeで一攫千金を狙った」

——へずまさんは過激な迷惑行為をYouTubeに載せて収入を得ていたと思いますが、なぜそこまでしていたのでしょう。

へずまりゅう(以下へずま):もともとは借金を返済するためですね。前に付き合っていた彼女のお母さんの借金を肩代わりしました。元カノは糖尿病で、親も糖尿病だったので遺伝だと思います。食事中によくトイレに行ってインシュリンを打っていました。

 糖尿病の合併症で白内障も患い、体の自由がきかなくなって。僕は彼女の最後を看取りました。享年28歳でした。ただ、自分は仕事を辞めていて、その後は何をしてもうまくいかなくなりました。取り立ての人に家に来られたりして、どうしようもなくなって、YouTubeで一攫千金を狙いました。

——借金は連帯保証人になったということですか?

へずま:そうですね。サインをしてしまって、取り消せないかとか、訴えられないかとも考えたのですが無理でした。よく考えたら、昔、じいちゃんやばあちゃんや親に、「借金の連帯保証人だけにはなっちゃいかん」と言われていたのを思い出しました。どんなことになるか理解せずにハンコを押してしまって。

◆借金でクビがまわらず「仕方なく過激な動画を出していた」

——借金の原因は何だったのですか?

へずま:向こうの父親の事業が失敗したんです。それで父親は蒸発してしまった。借金を背負ったばかりの頃は少しでも返済しなきゃいけないと思って。消費者金融で借りたお金を充てていたのですが、結局は満額に達してしまいました。

——YouTubeで借金は返せたのですか?

へずま:無理でした。途中で迷惑行為の示談金で300万円かかったりして。結局、借金が減るどころか、最後は1500万円くらいに膨れ上がっていて。かなり追い込まれて、当時は別の容疑で執行猶予中だったのですが、過激な動画で視聴者数を伸ばさないと借金が返せないので、仕方なくやっていました。

 普通、執行猶予中に捕まりそうなことはしないですよね? でも、生きるか死ぬかの世界です。最初はチャンネル登録者数も5000人ぐらいしかいなくて。月の収益が1000円とか2000円だった。

 ただ、なんとか収益化していたので、あとは再生数さえ取れればお金が稼げると思ったんです。当時は何人かでYouTubeをやっていたのですが、自分1人だけ「ちょっと東京行って稼いでくるわ!」みたいな感じで交通費だけ握りしめて上京しました。

——1500万円というと、毎月10万円ぐらい返済に回しても10年以上はかかりますよね。

へずま:そうですね。時間を無駄にしたくなかったので、何がいちばん稼げるのかを常に考えてました。

◆全盛期は月250万円の収入

——YouTubeでどれぐらい稼いだのですか?

へずま:全盛期は月250万円くらいですかね。とはいえ、すぐアカウントが削除されてしまったので、稼げたのは2〜3ヶ月程度なんです。

 最初のうちは収益がなかったので、そこら辺で寝っ転がって暮らしていました。動画も100万回再生とかされるようになって大金が入ってくると、借金返済しながらホテル暮らしをするようになりました。当時はコロナ前だったので広告の単価が高かったんです。今はめちゃくちゃ単価が下がってしまいました。

——有名YouTuberに凸する(突撃する)動画を撮っていたと思うのですが、どうやって彼らの居場所を見つけていたのですか?

へずま:DMでタレコミがあるんですよ。誰々がここにいますとか送られてくるんで、証拠の写真があるものだけ行ってました。

◆アカBANされた後はコラボ料で生活費を稼ぐ

——アカウントを削除された後はどうやって借金を返済していたんですか?

へずま:YouTuberとのコラボ料で30万円とかもらってましたね。最初に「いくらまで払える?」と聞いて、50万と言われたら「じゃあ30万でいいよ」みたいな感じですね。

 全盛期だったら“へずまりゅう”の名前を出せば、それだけで動画が伸びて40万回再生とかいきましたから。なかには、僕にメントスコーラをかける“やらせ動画”で500万〜600万回再生までいった人もいる。本当にコロナ前は広告単価が高くてめちゃくちゃ稼げました。自分の動画でヒカキンさんやはじめしゃちょーより伸びてる動画とかもあったんで。今はそんなに数字が取れる自信がないんで、そんなビジネスはしてません。

——現在は借金はどのぐらいあるのでしょうか。

へずま:つい最近まで1000万円規模の借金がありました。でもホストをやって1360万の売り上げをあげたので、そのお金を使って、やっと返済することができました。

——おめでとうございます。これでもう過激なことはしなくて済みますね。

へずま:そうですね。できれば借金の原因となった元カノの母親とも会って話したいですね。

◆これからの生業は「配信」や「コンサル」

——このたび婚約をされましたが、亡くなられた元カノさんに対する気持ちは、もう整理できたということでしょうか?

へずま:当時は今後、一生付き合うことはないし、恋愛はしないと思ったんですけど、彼女は亡くなる前、僕の幸せを願ってくれていましたので。今は社不ちゃん(婚約相手)のことを好きになって、結婚を決意した感じです。

——では、これからのメインの仕事は何を狙っていますか?

へずま:配信ですね。これからも流れが来るかなと。現状、配信すれば稼げているので。もちろん、これが5年後、10年後は危ういと思う。自分もそのうち忘れられるので。

 あとは、格闘技イベントに出たりですかね。ギャラが良いので。YouTubeコラボとかも今後していきます。ほかにもバーの1日店長や、SNSでお店を紹介したり。でも、このへんも現時点ではお金になっていますけど、将来的に心配ですね。

 あとは、コンサルですね。よくDMで「へずまさん弟子にしてください」とか連絡がくるんでアドバイスをしています。TikTokはフォロワー300人からライブ配信が可能で、いわゆる“投げ銭”で収益化ができるようになるんですけどね。

 収益化を目指して、TikTokの編集をこうした方がいいとか、動画の伸ばし方を教えているんです。具体的には、もしも動画が伸びなかったら、チェックして分析するなど、フルサポートする。動画の出だしで視聴者が離脱していると思ったら「最初にインパクトのあることをしよう」と改善策を指示したり。最後まで観てもらうためにはどうしたらいいのか考えます。

 また、SNSのアカウントの作り方もわからないという人には、本当に1から収益化できるまで手伝ったりしていますね。それで実際に結果が出たらお金をもらう仕組み。今は3人でコンサルしているのですが、1ヶ月暮らせるぐらいの収入はいただいています。

◆社会貢献活動で“反迷惑系YouTuber”を目指す

——今後の活動として、個人のYouTubeチャンネルはもう作れないんですか?

へずま:どうでしょう? 一度アカウントを「へずまりゅうちぇる」という名前で作ってみたんですが、動画も出してないのに2〜3時間でアカウントが消されてしまいました。誰か通報する人がいるんでしょうかね。

 ただ、今後はボランティアや、いじめ問題を扱う真面目なチャンネルを作ろうと思っていて、その動画が理不尽に消されたりしたら、Google(YouTube)の印象も悪くなりますよね。社会貢献や奉仕活動をしているのをBANしたら炎上すると思うんですよ。だから僕は今後、“反迷惑系YouTuber”として世のためになる動画を出していきます。

——とはいえ、アンチが多いと思いますけど……。

へずま:アンチは無料の広告塔だと思っています。へずまりゅうを始めたばっかりのときは、アンチすらもいなかった。1年間無反応で、コメントしてくれる人も毎回同じ人。アンチがいるだけでもありがたい。

 実際、戦略的に反応するときもある。「へずまが理不尽に言い返してきた」とかで盛り上がるので。基本的には「アンチありがとう」としか思っていません。ヒカキンさんやはじめしゃちょーにすらアンチはいるので。

 偽善者だと思われてもいいので、良い活動をしていきたい。僕が何かをすれば、アンチコメントで偽善だと言われることが多いですが、「俺は偽善活動をしとるんやー、本当はしたくねぇー!」ってそれさえもネタにしていきたい。ただ、やってることは正義なので。1〜2年くらい前は完全悪を“演じて”いましたが。

◆夫婦のYouTubeチャンネルを作りたい

——当時はへずまりゅうを演じていたということですか?

へずま:そうですね。あのときは苦肉の策でがんばっていましたが、実際に会うと「動画とぜんぜん違うね」って言われます。普段は暴れたり全くしないんで。

 あと活動としては、夫婦のチャンネルを作って運用していきたいですね。アカウントを作ったらすぐ消されてしまうけど、コラボとかで自分が出てる動画は消されていないということは、他のチャンネルに出演するぶんには問題ないということなので。奥さんにチャンネルを作ってもらおうと思います。そして、夫婦で稼いだ金でバーとか経営したい。もしも子どもができたら、よりいっそう稼いでいかなきゃならないので。

——子どもができたとしたらYouTubeに登場させたりしますか?

へずま:それも考えたんですけど、直接動画には出しません。「子どもが生まれました」とかは報告するつもりですが、子どもを利用して再生数を稼ごうとは思わない。その子の将来を考えると、いじめられたりすると思うので。

<取材・文/山崎尚哉>

【山崎尚哉】
’92年神奈川県鎌倉市出身。ライター業、イベント企画、映像編集で生計を立てています。レビュー、取材、インタビュー記事などを執筆。Twitter:@yamazaki_naoya