「パパ活」。当初は若い女子と富裕層が互いの隙間を埋めるべくマッチングしていたが、コロナ禍で金銭ゲームの様相が激化。富める者と富まざる者の格差が急速に広がり、生業としたい者も流入した。今や荒廃した市場でパパ活女子の実態を調査した。

◆パパ活の「契約」は多様化。いびつなかたちで進化する

 パパ活市場においてパパからの需要のメイン層である18〜34歳の日本女性は、約1000万人。それに対し、大手パパ活アプリの女性登録者は数十万人規模。もはや若い女性100人のうち、数人はパパ活に手を染めているとも類推される。フィールドワークを重視する社会学者の開沼博氏も、彼女たちに事あるごとに遭遇するという。

「パパ活はしばしば視界に入ってきます。例えば大学の女性職員だとか、新宿にたむろする未成年・トー横キッズや繁華街に出入りしている若者などが後ろめたいという意識もなくパパ活をしています」

 その背景として開沼氏が挙げるのは、今のパパ活がアプリやSNS上で行われ、当事者以外には実態が見えない「タコツボ的構造」になっていることだ。

「性風俗産業であれば、看板やチラシに写真が載ることによる身バレのリスクがあり、またそもそも風俗業従事者であること自体への負い目がありました。しかし、タコツボ化したパパ活はそれらを軽減させ、参入ハードルを低くしています。加えて、風俗店舗などの管理者からの中間搾取も回避され、女性がより便利にスマートに目的へアクセス可能になっています」

◆孤立化や孤独化は社会問題に

 また、コロナ以前から孤立化や孤独化は社会問題になっていたが、パパ活の流行はこの観点からも説明ができるという。

「人は人と会うことで幸福度が上がるという研究もあり、パパ活は新たな人間関係の創出や出会いの場としても実は機能していると思います。政府は、孤独・孤立対策担当大臣なるポストを設置していますが、パパ活は皮肉にも、ボトムアップ型の孤独・孤立対策となっているとも言えるでしょう」

◆今後のパパ活は?

 このような現状を踏まえ、開沼氏は今後のパパ活の展開を語る。

「高額な愛人契約から激安援デリ、キャバクラ、ガールズバーなど、多様な性風俗産業や、接待を伴う飲食文化が、デジタル化(DX)によってパパ活に集約されていきます。パパ活は、これらの機能を含めた多様な契約内容になり、流入する女性が増えれば、相場は下がり、パパ側の選択肢も広がるため、買い手有利な市場になっていくのではないでしょうか」

 だが、金銭の多寡を追求してパパ活に勤しむのは寂しさもはらむ。

「買う側が非性的な癒やしを求めたり、足長おじさん化するケースは今後もあり続けるでしょう。金銭を払うとしても、没頭できる人間関係と明確な生きる意味を持つことは幸福度に直結するからです」

◆【社会学者 開沼 博氏】
東京大学大学院情報学環准教授。『日本の盲点』(PHP新書)、『はじめての福島学』(イーストプレス)など著書多数

<取材・文/沼澤典史(清談社)>

―[激変するパパ活]―