姿勢の悪さは現代人に共通する悩み。長時間に及ぶデスクワーク、運動不足、さまざまな原因があるのは分かっていても、何をすれば改善できるのか分からないという人も多いはず。そこで今回は、現役パーソナルトレーナーで柔道整復師の私(ヒラガコージ)が、姿勢改善に効果がある「プッシュアップ」という方法についてお話をしていこうと思います。

◆大胸筋を伸ばして鍛えよう

 そもそも姿勢の悪さはどのような状態によって起きているのでしょうか。デスクワークなどで椅子に座り続けたり、前屈みの姿勢で長時間作業を続けると、背骨が丸くなるだけでなく、①胸の筋肉(大胸筋)が縮まる、②背中の筋肉が伸び切る、2つの状態を維持してしまいます。これが常態化すると、形状記憶してしまい、少し背伸びをしたとしてもすぐに猫背に戻ってしまうというわけです。

 一般的には、この状態を打破するためには、縮んだ胸をストレッチ、伸びた背筋をトレーニングすることが推奨されていますが、じつは、あえて胸のトレーニングである腕立て伏せ・プッシュアップをするのも効果的です。

 大胸筋の特徴は薄くて複数の関節にまたがる二関節筋に分類されます。二関節筋はリーチが長いために目一杯引き伸ばされた状態から縮めると運動効果を強く与えることができます。プッシュアップは床に手をついて肘を曲げながら体を床に近づけるように体を下げると胸が開かれますから、体をしっかり床に近づけるこの瞬間こそが、姿勢改善に繋がるポイントです。

◆意外と大事な肩甲骨

 大胸筋を開くためにうつ伏せ姿勢で身体を床に近づけていくと……あれ、どうしてか、腕に力が入ってしまい、胸が広がっている感じがしない……という方も多いと思います。これを解消するために必要なのが「肩甲骨の使い方」です。

 肩甲骨は背中側の左右についている腕とつながる肩関節の骨です。この骨についている筋肉がうまく働いて体が固定されないまま腕立て伏せをしてしまうと、腕の屈伸運動で身体を支えることになり、腕トレになってしまいます。肩甲骨同士を寄せて固定すると腕に力が入りにくく、胸をしっかり開きながら腕立て伏せができるようになります。

◆腕立て伏せをやってみよう!

①肩幅から少し広いくらいで手の間隔を開け、スタートポジションをとります。この時、既に肩甲骨同士を寄せておきますが、首回りに力が入って肩がすくまないように気をつけましょう。
②肩甲骨同士が開かないように気をつけながらゆっくりと身体を床に向かって下ろしていきます。背中が丸くなってしまうと、胸の筋肉に動きが生まれず正しい効果が得られません。肩甲骨を寄せて若干胸を張った状態で続けられるようにしましょう。
③肘が約90度くらいまで曲がったらストップします。この時ももちろん肩甲骨同士は寄せたままで、腕の付け根から胸にかけて少し伸び感(ストレッチ感)が得られるとベストです。この体勢がとれたら、あとはここまでの手順を逆再生するように①の形へ戻っていきます。

※10回2〜3セット/1日

◆おすすめはプッシュアップバー

 大胸筋をしっかり伸ばすプッシュアップをするためには「プッシュアップバー」を使うのがおすすめです。これを使うと身体を床に近づけた際に、地面に手の平を置いて行う時よりも胸を開きやすくなります。手頃なものでは100円ショップでも取り扱いがありますし、Amazonの通販などでも手に入ります。

 それほど大きなものではないので、場所を取らず、自宅にあっても邪魔になりません。ぜひ活用してみてください。

<文/ヒラガコージ>

【ヒラガコージ】
柔道整復師/パーソナルトレーナー。スポーツクラブでインストラクターとして指導をし、現在は医療国家資格である柔道整復師の知識を生かした身体機能の改善からダイエットまで幅広いクライアントを担当するフリーランスのパーソナルトレーナーとして活動中。公式「Amebaブログ」更新中