―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―

◆ウソでもいい! 疑似でもいい! 気持ちいいし、燃費もいい!

ホンダの名車シビックが、この7月で50周年を迎えました。昨年発売された現行シビックは11代目。ちなみにタイプRというスポーツモデルが設定されたのは6代目から。そんな現行シビックに、ハイブリッドモデルとタイプRが登場。後者は詳細未定ながら、すでに値上がりが確実視されております。買うならどっちのシビックか? 妄想してみました!

永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi
茂呂幸正=写真 Photographs by Moro Yukimasa

◆シビック買うならハイブリッドの理由

 30年落ちのスカイラインGT-R(32型)が5000万円ってマジで!? 34型GT-Rは以前から5000万円のタマがあったけど、ついに32型も5000万円かよ! その後、販売サイトから消滅したが売れたのか!?

 国産スポーツモデルの高騰が止まらない。条件は「MTであること」。量産FF(前輪駆動)車世界最速の座を争うシビック・タイプRも、先代型の未使用車に1000万円オーバーの値が付けられている。ちなみに新車価格は475万円でした。

 そんな「値上がり保証付き」シビック・タイプRの新型が発表された。まだ価格も未公開ながら、受注開始日にすでに完売!?というウワサも。まったく世の中狂ってるぜ!

 そりゃあ、新型タイプRは速いんだろうし、でっかいリヤウイングもカッコいいさ。近い将来、ガソリンエンジンのスポーツカーが消滅することを考えると、取り合いになるのもわかる。でも、シビックをカーマニアの実用車として見ている私は、タイプRには興味なし! なぜってフェラーリを持ってるから! フェラーリより官能的なスポーツカーなんかあるわけない! よってタイプRはいらん! 私が買うなら断然、シビック・ハイブリッドだ!

◆なぜハイブリッド!?

「なぜハイブリッド!? 燃費フェチなの?」そのように問う同好の士もいるだろう。もちろん私は燃費フェチ。ハイブリッドに乗ってれば、ガソリンが値上がりしても勝利感に浸れるし!

 しかしこのクルマの魅力はそれだけではない。走りがものすごく気持ちイイのだ!

 ハイブリッドだけに、ミッションはオートマだ。というかホンダのハイブリッド(e:HEV)は、基本的にモーターで走るので変速機はない。

 でもね、スポーツモードでアクセルを床まで踏み込むと、新開発の2リッター直噴4気筒エンジンが、「クワァァァァ〜ン」ってF1マシンみたいに吠えながらステップを踏んで変速するんですよ! なにこれ!? どうなってるの?

◆MT車のシフトチェンジみたいな疑似感覚

 実はシビック・ハイブリッドは、発電機役のエンジンの回転数を自動的に上げ下げして、MT車のシフトチェンジみたいな疑似感覚を作り出してるのだ! ついでに車内に響くエンジンサウンドも電子的に増幅し、スピーカーから流している。

「そんなニセものに騙されて楽しいのか!」そう責める方もいるでしょう。はい、騙されて楽しいです! もっと騙してください! もっともっといじめてください! 私、気持ちよければなんでもいいんです!

◆足回りも絶品

 気持ちいいのはパワーユニットだけじゃない。足回りも絶品で、とっても乗り心地がいいのに、シャープに気持ちよく曲がる。それでいて運転はひたすらラクチン。MT車みたいにクラッチ踏んだりシフトレバー動かしたり、無駄な苦労の必要はゼロ!

 デザインは、リヤウイングこそないけれど、「神」であるタイプRと大差ない。まさにラクチンバーチャルスポーツカー! コイツを最後の一台にして脳に刻み、死後もバーチャルで楽しみたい!

◆【結論!】

シビック・ハイブリッドは、タイプRみたいに値上がりはしない。でも、値上がりしてもお墓までは持っていけないよね? 生きてるうちにラクチンに楽しく走りたいなら、ハイブリッドを推します!

【清水草一】
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中。清水草一.com

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