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◆古い充電池はどのくらい使えるのか

 2022年8月30日から9月5日は防災週間です。9月1日は防災の日となっており、この時期は台風や秋雨前線などの影響で特に災害が多いシーズンでもあります。家庭用の備蓄もしっかり備えておきたいところです。

 さて今回の電池実験の項目はというと「古くなった二次電池はどのくらい使えるのか?」です。

 「二次電池」とは、充電と放電を繰り返し使える電池のことで、使い捨て電池(アルカリ乾電池やマンガン乾電池)は「一次電池」と言います。

 この「一次電池」や「二次電池」は電気工学における学術用語なので、通称としての「乾電池」や「使い捨て電池」、「充電池」「バッテリー」などが一般的には広く浸透しています。

◆進化を続ける「eneloop」で検証してみた

 というわけで今回検証に使ったのは、誰もが知っているであろう旧三洋電機が開発した「eneloop」。

 eneloopはニッケル水素タイプの充電池なのですが、2005年にeneloopが登場するまでは、このニッケル水素充電池は、自然放電が多く非常時に使うのには適していなかったり、メモリー効果と呼ばれる使用時の電圧低下減少などにより、正しく使うにはかなり手間のかかる充電池でした。

 これらの欠点を改良して、充電から1年後でも自然放電が少なく、残容量は85%ほど。さらにメモリー効果も抑制されており、アルカリ乾電池に取って代わる製品といっても過言ではないほどです。

 eneloopの登場以来、ニッケル水素電池の性能は大きく進化し、他メーカーからも同様に欠点を克服した製品が販売されるようになってきました。eneloop自体も細かな改良が行われており、現在購入できるのはPanasonicロゴとなった第4世代のeneloopとなっています。

◆新品と長年保管していた未使用電池で比較検証してみた

 では早速比較グラフを見てみましょう。

 比較したのは、初期モデルの「SANYO eneloop」と新品で購入してきた「Panasonic eneloop」です。SANYO eneloopは筆者が所有しているほぼ未使用品で、長年保管されていた物です。

 どちらも無作為に10本ほど抽出して平均値を取ってみました。

 放電開始から10分までは、どちらも似たようなグラフですが、やはり若干の劣化が見られ、放電電圧も初期eneloopの方が低めです。10分を経過した辺りで初期eneloopにはメモリー効果が発生しているようで、大きな電圧降下が見られます。

 やはりeneloopと言えど長期間保存では、メモリー効果が顕著にあらわれ、結果に出てしまっているようです。

◆リフレッシュ機能付きなら問題なく利用可能

 とはいえ、メモリー効果はリフレッシュにより、ある程度復活させることが可能なので問題はありません。

 実際に初期eneloopをリフレッシュさせてみると、現行のeneloopと似たような放電特性が見受けられます。第4世代までの細かな進化や保存状態、経年劣化などもあるので全く同じとまではいきませんが、古いeneloopでも一般的な用途で利用する場合には問題なく利用ができそうです。

 残念ながら、リフレッシュ機能付きeneloop用充電器は現在では販売されていません。

 しかし大手通販サイトなどでは、リフレッシュ機能を兼ね備えた充電器も販売されています。

 安全にリフレッシュを行うならこういった充電器に付属する放電機能を使うほうが良いのですが、懐中電灯などで電池が切れるまで使い(ただし過放電には気をつける)、しっかりと放電特性をつけ直してやる方法もあります。

 とはいえ、やはり古い充電池を使うのは抵抗がある……なんて人は、防災週間で自宅の備品を見直し、新しい充電池に買い替えても良いかもしれませんね。

文/板倉正道

【板倉正道】
テクニカルライター。三才ブックスのマニア誌『ラジオライフ』にてガジェットや分解記事を執筆。買ったら使用前に分解するのがライフワーク

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