一見、派手な生活に見える富裕層。しかし、お金の価値を知るからこその意外な節約術を持っている。彼らのお金をかける/かけないの基準とは一体なんなのか?

 今回は、年商917億円を誇るアパホテルの社長、元谷芙美子氏にその節約術を聞いた。

◆派手なイメージとは裏腹にユニクロシャツを長く愛用

「私が社長です」。強烈な印象を残すCMでお馴染み、日本最大級のホテルチェーン「アパホテル」。元谷芙美子社長はグループの広告塔として常にきらびやかな服を着こなすイメージが強いが、実はユニクロや鎌倉シャツの愛好家でもある。

「今日着てる白のブラウスはユニクロで2990円で買いました。安いのに質がよくて、お気に入り。ジャケットやアクセサリーは気に入ったデザインのものを選びたいけど、シンプルなものならこれで十分。

 先日も10〜15年着てたユニクロのシャツの袖がすれてきたので、本当は直して使いたかったけど、修理代のほうが高かったので、新品を10着買い揃えたんです」

 この日のファッションはヴィトンのワンピースとユニクロの組み合わせ、元谷流のお洒落を表現している。さらにくたびれて二軍落ちした服も、部屋着として着倒す徹底ぶり。

◆予約困難な高級店よりもコスパ優良店がお気に入り

 超一流を知ったうえでコスパを重視するのは食の分野でも変わらない。

「お寿司が好物なんですけど、最近は自分で開拓した赤坂のコスパ優良店がお気に入り。ランチ4200円でウニ・アワビを含む21品のコースが楽しめるので満足感が高い。

 過去には一人数万円する予約困難な名店も巡りましたが、自分は若手の寿司職人がフランクに接客してくれるお店のほうが、ホッとするわね」

 コスパの追求はコスメにおいても同様だ。

「化粧品は頂いた試供品を使ってます。化粧水もヘチマコロンやコンビニで買える『雪肌精』と、プチプラコスメばかり。お洋服もそうだけど、見えづらい部分はコストをかけないのがコツかな」

◆50歳を過ぎてから早稲田大学大学院に入学

 そして、最もコスパのいいお金の使い道として挙げるのが、自身の学びへの投資だ。

「高校生のとき、父親が病に倒れ大学進学を断念しています。それで50を過ぎてから早稲田大学大学院に入学して博士課程まで修了しました。とにかく勉強するのが大好きなんです」

 小唄や清元も習っていたという元谷氏。最近も歌手としてCDをリリース。一見、お金持ちの道楽に見える元谷社長の音楽活動にも、アパグループの認知度を高める「宣伝広報活動」の狙いがあり、歌が営業の武器となることも。

「私はアパグループの不動産販売部門トップを兼任してますが、営業先で演歌を披露したところ、感動してもらって最初は1棟だったはずの契約が7棟に増えたなんてこともありました。突然歌いだす不動産営業なんて私くらいなものですから(笑)」

◆社員への食事会やプレゼントにはお金を惜しまない

 一方、社員を労う食事会やプレゼントにはお金を惜しまないのが大事だという。

「私にとってスタッフは家族のようなもの。風通しの良い組織をつくるために、積極的に食事会を開催してます。実の息子に使うお金よりも多いかもしれません(笑)」

 唄に茶道と多芸な元谷社長は生涯現役で稼ぎ続ける。

◆アパホテル社長・元谷芙美子氏流「節約の掟」

①ユニクロの服を長年愛用
②化粧品はサンプルといただきものが中心
【元谷芙美子氏・アパホテル社長】
福井県立藤島高等学校卒業後、夫・元谷外志雄氏と出会い、信金開発株式会社(現アパ)取締役に就任。新曲「銀座の恋人」発売中

取材・文/週刊SPA!編集部

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