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◆販売台数約1億5千万の「チョロQ」ブーム再来なるか
チョロQといえば、今の30代や40代には馴染みのあるおもちゃといっても過言ではありません。デフォルメされた自動車の車体を後進させて手を離すと一直線に走り出す、ゼンマイ動力によるプルバック式の自動車玩具です。
累計約3000種、販売台数約1億5千万のいわゆる昭和レトロの流行玩具の代名詞としても名高いチョロQですが、平成初期にもさまざまな企業タイアップ商品が販売されるなど、チョロQブームが訪れた時代も存在していました。
そんなチョロQも、誕生から29年を経たあたりでシリーズ展開は小さくなっていき、ここ数年では「チョロQzero」と呼ばれるコレクターズアイテムとしての方向性が強くなったチョロQのみが販売されるだけとなりました。
◆プログラミング授業に適応する最新チョロQ発売
そんななか、チョロQシリーズの最新作「チョロQ (eシリーズ)」が今年8月に販売開始。ゼンマイ動力のプルバック式ではなくなり、モーター式となったこのシリーズは、折しも2020年より必修化されたプログラミング授業にも適応するかたちで新たに市場に投入されたようです。
「プログラミング授業」といってもプログラミング言語を習うわけではなく、プログラム制御された電化製品等がどういった原理で動いているかを理解することに重点を置いています。
そういったこともあり、プログラミング学習に対応した玩具が市場に多く出てきており、子供向け玩具として昭和、平成時代にブームを担ったチョロQも時代に合わせた子供向け玩具として進化したといっても良いようです。
ちなみに、このチョロQeシリーズ、2022年の日本おもちゃ大賞アクション・トイ部門で大賞を受賞しており、エデュケーショナル・トイ部門(知育・教育に役立つ玩具)ではないものの、今後注目すべき玩具といえる商品であることは間違いありません。
◆最新作も懐かしのウィリー走行可能
さてそんなチョロQeシリーズを過去のシリーズと比べてみます。スタンダードタイプのチョロQと比べると一回り大きくなったものの、チョロQの代名詞とも癒えるデフォルメ車体は継続されており、違和感はありません。また、リア部分にコインを挟むことでできるウィリー走行も健在です。
ゼンマイのようなクイックな素早い反応は無いものの、モーターによるプルバックも備わっており、従来のチョロQとは違い、プルバックした回数で走行が切り替わります。
◆コントローラを使えば楽しさ倍増
別売りのプログラミングで遊べるコントローラを使うと、スムーズ直進、こきざみ直進、小回転+直進、大回転+直進とパターンは4つですが、これらの走行コマンドを最大で10回登録することが可能です。
子供向けのプログラミング入門としては、初歩的な感じになると思いますが、「この項目を入力するとこうやって動く」といったことを教えるにはちょうどよい製品かもしれません。
昭和から平成、令和と時代を超えて子供に遊ばれてきたチョロQを今一度楽しんでみてはいかがでしょうか。
文/板倉正道
【板倉正道】
テクニカルライター。三才ブックスのマニア誌『ラジオライフ』にてガジェットや分解記事を執筆。買ったら使用前に分解するのがライフワーク
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