人生100年時代。50歳ですら道半ばという長い余生は、喜ばしいどころか、不安でしかないという読者諸兄も多いことだろう。しかし、「お金」「健康」「孤独」といった世間に蔓延している老後不安は本当に正しいのだろうか? ウソに隠された誰も教えてくれない真実を解き明かす。

「再雇用で収入大幅減。貯金を崩す毎日になる」というのは本当なのだろうか?実はこの認識は間違いだと専門家は指摘する。給付金や保険料を抑えることによってお金を増やすことができるのだ。

◆高年齢雇用継続給付で収入源を補える

 定年再雇用制度で働き続けても、賃金は3〜4割減などザラだ。質素な生活は強いられそうだが……。マネーコンサルタントの頼藤太希氏は「収入減に応じて払われる『高年齢雇用継続給付』という給付金があります」と助言する。

「同じ会社で働き続ける人が貰える『高年齢雇用継続基本給付金』と、再就職した人に失業手当の残日数に応じて支払われる『高年齢再就職給付金』の2種類があります。いずれも60歳以降の給料が60歳時点の75%未満になったときに、最大で15%の給付金が受け取れる制度です」

◆会社の保険を任意継続することで保険料を抑えよう

「また、仕事を辞めた後の健康保険は、国民健康保険にすぐ加入してしまうと、前年の所得を基に計算され、高額になりやすいので、1年目は会社の保険を任意継続することで保険料を抑えられる可能性が高いです」(頼藤氏)

◆減少分を制度で補い、将来へ備えよう

 定年後も給付金を受け取りながら働き、収入のある間は年金を繰り下げ受給すれば、将来の受給額を大幅に増やすことも。

 例えば、65歳での年金額が月15万5000円なら、70歳で1.42倍の22万円になる。減少分を制度で補い、将来へも備えていけば盤石だ。

◆★真実!給付金を利用すれば貰うお金は増やせる

【マネーコンサルタント 頼藤太希氏】
Money&You代表取締役。中央大学客員講師。証券アナリスト協会検定会員。近著に『定年後ずっと困らないお金の話』(だいわ文庫)

取材・文/週刊SPA!編集部 図版/ミューズグラフィック

―[間違いだらけの[老後不安]]―