―[モテるデブには理由がある]―
こんにちは、日本のデブ諸氏の笑顔製造マシンとして日夜活動している「心もカラダもビッグサイズな男たち」のためのファッション&ライフスタイル情報を配信するWebマガジン「Mr.Babe」編集長の倉科典仁です。
「昭和」「平成」「令和」と生きてきた私(ずっとデブです)が、過去を振り返って思うのは、それぞれの時代の流れの中で“女性が感じる男性の魅力”のポイントが、少しずつ変化しているのではないか、ということです。
現在、外見の良さや経済力ばかりではモテなくなり、デブにとってはチャンスが訪れています。ただし、たんなるデブではいけません。「モテるデブ」に必要な要素とは何なのでしょうか。
◆昭和の時代は3高(高身長、高学歴、高収入)がモテる男の条件だったが…
30年以上前、私が出版業界に入った頃、世の中はバブルがはじける寸前。どこか浮足立っている感じがあったように記憶しています。
当時は3高(高身長、高学歴、高収入)がモテる男たちの条件。また、「アッシー君」(電話するとどこにでも迎えに来てくれる男性)や「メッシー君」(いつでも美味しいものをごちそうしてくれる男性)などがたくさんいて、女性は貢いでもらう男性(当時は「貢ぐ君」とも呼ばれていました)が自分の周りにどれだけいるかで、自分の女性としての魅力、レベルを判断していたなんて話もよくありました。
しかしそんな時代も終わり、バブルの崩壊とともに世の中も変わっていくわけです。
◆女性は生きていくための“リアル”を求めるように
平成に入ると「3高」という言葉は消滅し、タクシーを捕まえるのに1万円札を振り回していた男性たちもいつの間にかいなくなっていきました。夢うつつな状態から目を覚まし、生きていくための“リアル”を求めていくようになったのだと思います。
そんな時代が長く続き、雑誌「Mr.Babe」は2015年にスタートしたわけですが、創刊当時に大人女子(25〜30歳)を対象に行ったポッチャリ男性に関する意識調査では、次のような結果でした。
◆ポッチャリ男性でもOK(清潔感さえあれば)
Q.清潔感のあるポッチャリ男性は好きですか?
YES:85.5%
NO:14.5%
Q.自分が太っていることをネタにできる人は好きですか?
YES:86.4%
NO:9.1%
度合いによる:4.5%
Q.ポッチャリ男性のどこを見ますか?
1位:服装49人(44.5%)
2位:髪型48人(43.6%)
3位:肌質17人(15.5%)
4位:食べ方16人
5位:ヒゲ13人(11.8%)/ ツメ13人(11.8%)
Q.ポッチャリ男性のどんなところに器の大きさや包容力を感じますか?
1位:小さなことで怒らなそう20人(18.2%)
2位:困ったときの対応力13人(11.8%)
3位:お会計時のスマートさ、経済力10人(9.1%)
その後、リサーチ会社を利用して4500人の女性に聞いた「どんなところに男性の魅力を感じるか」との質問のトップにも「清潔感を感じる男性」が1位にランキングされていました。
◆外見・体型よりも“内面の豊かさ”を重要視
この結果から、バブルの時代(昭和の頃)とは男性に対する見方が違っていることを感じてしまいます。
私なりの見解としては女性たちは男性の外見・体型にかかわらず、経済力よりも内面的な優しさや意識の高さに魅力を感じているのではないかと思っています。「生まれながらに授かった容姿の良さ」や「お金を持っていても一緒にいて幸せを感じない」という男性には、あまり惹かれない。
もちろん、昭和にも内面的な部分を重要視している女性もたくさんいたとは思いますが、バブルのような時代では、男女ともに、人間の本質、価値観を見失っていたのかも知れません。
結局のところ、人間は自分1人だけで生きていくのは難しいし、気づかないところでも他人の手助けがあるからこそ、快適な生活を送ることができると言えます。まして男女の関係、特に恋愛や結婚に関しては、いくら外見が良くても、お金があっても、心が安らぐ相手でなければ、長い人生を一緒に過ごすことは苦痛ですよね。
◆不安の多い令和だからこそ、デブの存在が輝く
令和になった今、新型コロナウイルス、戦争、インフレをはじめ、男女を問わず不安の要素をたくさん抱えているなかで、人は心の安らぎ、思いやり、優しさ、楽しい時間というような“内面の幸せ”を求める傾向にあります。それは今後もっと強くなっていくでしょう。
そんなとき、私たち「デブ」の存在が女性にとって希望の光になれると、少なくとも私は確信しております。丸くて大きな体、人に対する優しさや思いやり。そんな武器を持っていれば、世の中の外見だけのイケメンたちより数百倍も魅力的に映るのではないでしょうか。
言わば、令和こそ「デブの時代」なのです。心のホスピタリティーが重要です。欲を言えば、それに加えてちょっとだけ経済力があれば……全国のデブ諸氏!女性たちに本当の「愛と幸せ」をふりそそごうではありませんか!
<文/倉科典仁>
【倉科典仁】
渋谷系ファッション雑誌『MEN’S KNUCKLE』や暴走族雑誌『ティーンズロード』などエッジの効いた若者カルチャーをテーマにした雑誌を多数手掛ける。現在はWebマガジン『Mr.Babe』でデブに特化したファッション&ライフスタイル情報を発信中。また、デブ限定の会員制オンラインサロン「Mr.Babe BIG MAN’s LABO」、大きいサイズのファッション通販サイト「Mr.Babe STORE」を開設。大きな男たちだけで日本の経済を向上させるべく奮闘中(Twitterアカウント:@nori09140914)
―[モテるデブには理由がある]―